1拍だけ違う2つのことばを並べた紙です。音の違いを言い分ける/聞き分ける課題に使います。
「かき/かぎ」「たいこ/だいこ」のように、1つの音だけが違ってあとは同じ、という語の組を最小対語(ミニマルペア)といいます。違いがその1音しかないので、そこが崩れると意味が変わってしまいます。構音訓練では、目標音が出せるだけでなく別の音と区別して出せることを確認する段階で使います。
使い方は2通りです。
| レベル | 対の条件 | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | 2拍・違いは語頭 | いちばん扱いやすい。短くて、構えが作れる |
| 2 | 3拍・違いは語頭 | 語が長くなるぶん保持の負荷が上がる |
| 3 | 拍数を問わない・語頭 | 長さがそろわない条件で |
| 4 | 違いが語中・語尾 | 最後まで聞かないと(読まないと)分からない |
| 5 | 拍数・位置を問わない | 般化の確認 |
語頭は構えを作れるぶんやさしく、語中・語尾に移ると難度が上がります。構音プリントの拍位置と同じ考え方です。
この対は、手作業のリストではなく語彙リストの読みから毎回計算しています。条件は「拍数が同じ・違うのは1拍だけ・その1拍の母音がそろっている・行が違う」の4つです。母音までそろえてあるので、「かき/かく」のような、母音が違うだけの組は出ません。純粋に子音の対立だけが残ります。
語彙が増えれば対も自動で増えます。いまは350組ほどあります。
「かき/かぎ」のような清音と濁音の対は、構音でも聴覚的弁別でもいちばん先に扱う対立です。ところが実在語でこの対になる組は、日本語そのものが少ないのです。語彙データベース1,465語から拾えるのは十数組しかありません。語を足しても大きくは増えません。
そのため、有声−無声はレベルの軸から外して設定に降ろしてあります。指定すると出せる対が足りず「対が足りません」と出ることがあります。声の有無をまとめて練習したいときは、実在語にこだわらず音節プリント(無意味音節)を使ってください。カ行とガ行を混ぜた紙がいくらでも出せます。
目標音が決まっているなら、行を指定してください。「サ行をふくむ対だけ」にすれば、サ行と別の行の対立だけが並びます。ただししぼるほど在庫が減るので、「対が足りません」と出たらレベルを上げるか行の指定を外してください。
このページで作った教材は、臨床・授業・家庭学習で自由に印刷して使えます。 内容は言語聴覚士が監修していますが、対象者への適用の可否は担当の専門職が判断してください。