第15回 言語聴覚士国家試験 第11問
リハ医学第15回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.構音障害 ― 文字盤使用
- 2.顔面神経麻痺 ― マッサージ指導
- 3.嚥下障害 ― 嚥下造影検査
- 4.記憶障害 ― メモリーノート使用
- 5.運動性失語 ― 人工喉頭 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 運動性失語 — 人工喉頭
運動性失語(Broca失語)は音声言語の産出が困難だが音声自体は存在し、嗄声や無音声は伴わない。人工喉頭は喉頭がない、または音声産生機能が失われた場合に使用する器具であり、失語症には適応されない。運動性失語の主な補助手段は文字板、身振り、描画などの非言語的コミュニケーションである。
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【各選択肢の解説】
1. 構音障害 — 文字盤使用
✅ 正しい。構音障害により音声で意思疎通が困難な場合、文字盤(あいうえお表など)は有効な代替・補助コミュニケーション手段として広く使用される。
2. 顔面神経麻痺 — マッサージ指導
✅ 正しい。顔面神経麻痺により筋萎縮や拘縮が生じるため、マッサージ、顔面体操、電気刺激などの理学療法が標準的な治療・リハビリテーションに含まれる。
3. 嚥下障害 — 嚥下造影検査
✅ 正しい。嚥下造影検査(VF:videofluorography)は、バリウムを用いて嚥下の各相を動画で評価する標準的な検査法であり、嚥下障害の診断・治療方針決定に不可欠である。
4. 記憶障害 — メモリーノート使用
✅ 正しい。高次脳機能障害に伴う記憶障害に対し、メモリーノート(記録用ノート)は日常生活の重要事項を記録して記憶を補助する認知的リハビリテーション手段として広く用いられる。
5. 運動性失語 — 人工喉頭
❌ 誤り。運動性失語(Broca失語)では言語中枢の損傷により表出言語が制限されるが、喉頭機能は正常で音声自体は生成される。人工喉頭は喉頭全摘出時(喉頭がん術後)など音声産生機能が喪失した場合に使用する器具であり、失語症には適応されない。失語症に対しては文字板や身振りなどの非言語的コミュニケーション手段が適切である。
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【試験対策ポイント】
コミュニケーション支援機器の適応疾患(重要な区別)
| 障害・疾患 | 主な原因 | 適応される支援機器 |
|---|---|---|
| 構音障害 | 構音器官の障害(舌、口唇など) | 文字盤、描画、身振り |
| 失語症(運動性) | 言語中枢のダメージ | 文字盤、描画、身振り(音声あり) |
| 声帯麻痺 | 反回神経損傷・喉頭麻痺 | 人工喉頭、音声手術 |
| 喉頭全摘後 | 喉頭摘出術後 | 人工喉頭、食道音声 |
| 重症筋無力症 | 神経筋接合部障害 | 会話パターン訓練、文字盤 |
キーポイント:人工喉頭の適応は「音声産生機能の喪失」であり、失語症のような中枢言語障害ではない
各障害の特徴と対応
- 構音障害:音声は正常→文字板で対応可
- 失語症:音声は正常→文字板や非言語的手段で対応可
- 声帯麻痺:喉頭機能低下→人工喉頭
- 喉頭全摘:喉頭消失→人工喉頭必須