第15回 言語聴覚士国家試験 第140問
第15回 言語聴覚士国家試験 第140問(聴覚心理学)の正答は 2 です。外有毛細胞の能動的増幅は、蝸牛の鋭い周波数選択性(狭い聴覚フィルタ)と圧縮的(非線形)応答を生む。
- 1.感音性難聴者の障害は線形増幅で対処できる。
- 2.外有毛細胞の障害を持つ聴覚障害者の聴覚フィルタの帯域幅は健聴者に比べて広い。 ✓
- 3.補充現象は聴覚フィルタの特性とは関係ない。
- 4.感音性難聴者の障害は聴覚フィルタのゲインの低下である。
- 5.聴覚は障害によって健康な状態の線形応答から非線形応答に変わる。
正答:2番
初回正答率 41.1%難問
107人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、STカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
外有毛細胞の能動的増幅は、蝸牛の鋭い周波数選択性(狭い聴覚フィルタ)と圧縮的(非線形)応答を生む。外有毛細胞が障害されると聴覚フィルタの帯域幅が広がり、周波数分解能が低下する。
【各選択肢の解説】
1.感音性難聴者の障害は線形増幅で対処できる。
❌ 誤り。補充現象があり非線形(圧縮)増幅が要る。正しくはダイナミックレンジが狭いため、ノンリニア(圧縮)増幅で対処する。
2.外有毛細胞の障害を持つ聴覚障害者の聴覚フィルタの帯域幅は健聴者に比べて広い。
✅ 正しい。外有毛細胞の能動的増幅が失われると同調が鈍くなり、聴覚フィルタの帯域幅が健聴者より広がる(=正答)。
3.補充現象は聴覚フィルタの特性とは関係ない。
❌ 誤り。外有毛細胞機能と関連する。正しくは補充現象は外有毛細胞の障害で圧縮的な応答が失われることで生じ、聴覚フィルタの特性と関係する。
4.感音性難聴者の障害は聴覚フィルタのゲインの低下である。
❌ 誤り。ゲインの低下だけではない。正しくはゲインの低下に加えて帯域幅の拡大(周波数分解能の低下)と圧縮の喪失が起こる。
5.聴覚は障害によって健康な状態の線形応答から非線形応答に変わる。
❌ 誤り。健常蝸牛が非線形で、障害で線形寄りになる。正しくは健常な蝸牛の応答が非線形(圧縮的)で、障害されると線形に近づく。
【試験対策ポイント】
正常蝸牛は外有毛細胞の能動的増幅で鋭い同調(狭い聴覚フィルタ)と圧縮的(非線形)応答を示す。外有毛細胞障害でフィルタが広がり選択性低下、補充現象が出現し、応答は非線形性を失う。だから線形増幅では不十分で圧縮増幅が必要。外有毛細胞の役割を中心に理解する。
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