第15回 言語聴覚士国家試験 第145問
言語発達学第15回
CDS(Child-Directed Speech)の特徴として誤っているのはどれか。
a.抑揚が平板である。
b.発話速度が遅い。
c.発話が短い。
d.反復が多い。
e.ピッチが低い。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
CDS(チャイルド・ディレクテッド・スピーチ)は、成人が乳幼児に向かって自然に発する特殊な音声特性を指します。抑揚が平板(a)であること、ピッチが低い(e)ことは、いずれもCDSの特徴とは逆であり、むしろCDSは「抑揚が豊かで、ピッチが高い」ことが実証されています。
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【各選択肢の解説】
a. 抑揚が平板である。
❌ 誤り。CDSは抑揚が「豊か」です。子ども向け発話は感情的・抑揚的になり、単調性が低減されます。この特性は乳幼児の音韻体系獲得を促進すると考えられています。
b. 発話速度が遅い。
✅ 正しい。CDSの典型的特徴の一つです。子どもが音を知覚・処理しやすいよう、意識的あるいは無意識的に発話速度を低下させます。
c. 発話が短い。
✅ 正しい。CDSでは文長が短縮されます。これにより子どもの聴覚・言語理解の負担を軽減し、言語学習を促進します。
d. 反復が多い。
✅ 正しい。同じ単語・フレーズの繰り返しが特徴です。例:「わんわん、わんわん」や「これは、お手手だよ。お手手」。繰り返しは子どもの語彙・文法習得を支援します。
e. ピッチが低い。
❌ 誤り。CDSはピッチが「高い」です。特に女性の乳幼児向け発話では、通常より1オクターブ以上高くなることが報告されており、これは子どもの注意喚起と学習効果を高めます。
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【試験対策ポイント】
CDS(子ども向け音声)の5つの特徴:
| 特徴 | 詳細 | 機能 |
|---|---|---|
| 高いピッチ | 通常より1オクターブ以上高い | 注意喚起・感情的接続 |
| 豊かな抑揚 | 周波数変化が大きい | 音韻弁別・聴覚刺激 |
| 遅い発話速度 | 音節間隔が長い | 音知覚・処理の容易化 |
| 短い発話 | 簡潔な文長・フレーズ | 理解負担の軽減 |
| 多い反復 | 同語反復・フレーズ反復 | 語彙・文法習得の支援 |
頻出紛らわしい誤り:「抑揚が平板」「ピッチが低い」は一般的な「幼稚な話し方」の印象とは異なり、むしろその逆が科学的事実です。