第15回 言語聴覚士国家試験 第61問
失語症第15回
4歳の後天性小児失語症の評価に適さないのはどれか。
- 1.標準抽象語理解力検査 ✓
- 2.新版K式発達検査
- 3.ITPA言語学習能力診断検査
- 4.LCスケール
- 5.<S-S法>言語発達遅滞検査
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 標準抽象語理解力検査
4歳の幼児期では、抽象的な言語概念の理解がまだ発達段階にあります。標準抽象語理解力検査は抽象語(意味範疇が広い言葉)を対象とした検査で、より高い言語発達段階を前提としているため、後天性小児失語症の評価には適していません。特に失語症評価では、具体的な物や動作の理解から段階的に測定することが重要です。
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【各選択肢の解説】
1. 標準抽象語理解力検査
❌ 誤り。抽象語理解力検査は年齢が高い児童(通常6~7歳以上)を対象とした検査で、4歳の幼児や幼児期の失語症児には適していません。4歳段階では具体語の理解が中心であり、抽象的な言語概念の評価は発達的に時期尚早です。
2. 新版K式発達検査
✅ 正しい。0~6歳を対象とした発達検査で、言語領域を含む多領域を測定します。4歳の後天性小児失語症児の全体的な発達状態と言語機能の低下を総合的に評価するのに適しています。
3. ITPA言語学習能力診断検査
✅ 正しい。2~9歳を対象とした言語検査で、受容言語と表出言語の複数の下位項目を評価できます。4歳児の失語症による言語機能障害の詳細な分析に有用です。
4. LCスケール
✅ 正しい。小児の言語能力を段階的に評価する検査で、より広い年齢範囲に対応しており、失語症児の言語レベルの把握に適しています。
5. <S-S法>言語発達遅滞検査
✅ 正しい。幼児の言語発達を評価する検査で、表出語彙・理解語彙・構文理解など複数の側面から4歳児の言語発達水準を測定できます。失語症による発達段階の測定に適切です。
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【試験対策ポイント】
後天性小児失語症の評価に用いる検査選択基準
| 検査名 | 対象年齢 | 特徴 | 4歳失語症での使用 |
|---|---|---|---|
| 新版K式発達検査 | 0~6歳 | 多領域の発達評価 | ✅ 適応 |
| ITPA | 2~9歳 | 言語の受容・表出を詳細評価 | ✅ 適応 |
| LCスケール | 広範囲 | 段階的な言語評価 | ✅ 適応 |
| <S-S法>言語発達遅滞検査 | 幼児~児童 | 発達的視点での評価 | ✅ 適応 |
| 標準抽象語理解力検査 | 高学年~ | 抽象語理解が中心 | ❌ 不適応 |
重要否定知識:
- 4歳児の言語発達段階では「具体語」が中心
- 「抽象語」の理解は6~7歳以降に発達する段階的過程
- 検査選択時は「対象年齢」だけでなく「言語概念の複雑性」も確認必須
キーワード:具体語‐抽象語の発達差、検査の対象年齢設定