STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第60問

失語症第15回
対話構造を導入した失語症の訓練法はどれか。
  1. 1.刺激法
  2. 2.PACE ✓
  3. 3.遮断除去法
  4. 4.機能再編成法
  5. 5.メロディック・イントネーション・セラピー

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — PACE PACEは患者と言語聴覚士が「対話的な情報交換」を目的とした訓練法であり、実生活に近い対話構造を組み込んだアプローチです。患者がメッセージの送り手になることで、コミュニケーション機能の回復を促進します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 刺激法 ❌ 誤り。言語聴覚士が標的となる音韻・語彙などを提示し、患者の反応を引き出す単方向的な方法です。対話構造は含まれません。 2. PACE(Promoting Aphasics' Communicative Effectiveness) ✅ 正しい。患者と言語聴覚士が対等な役割で情報交換を行う訓練法です。患者が「メッセージの送り手」となり、実生活のコミュニケーション場面を再現します。 3. 遮断除去法 ❌ 誤り。視覚や聴覚などの補助情報を遮断して、障害された言語機能そのものを刺激する訓練法です。対話的な構造をもちません。 4. 機能再編成法 ❌ 誤り。損傷した脳機能の代償として、別の脳領域や別の言語機能(例:歌唱能力)を活用する訓練法です。対話構造ではなく、神経可塑性に基づくアプローチです。 5. メロディック・イントネーション・セラピー(MIT) ❌ 誤り。メロディーやリズムを使用して、失語症者の言語表出を促進する訓練法です。音韻表出の改善に特化しており、対話構造を基本としていません。 --- 【試験対策ポイント】 失語症訓練法の分類(重要:対話構造の有無で区別) | 訓練法 | 構造 | 対話 | 主要目的 | |---|---|---|---| | PACE | 対等な双方向 | あり | コミュニケーション機能の実用化 | | 刺激法 | 単方向(ST→患者) | なし | 言語刺激への反応性向上 | | 遮断除去法 | 単方向(条件制御) | なし | 障害言語機能の直接的促通 | | 機能再編成法 | 代償機構の活用 | なし | 別機能による代償 | | MIT | 音韻リズム活用 | なし | メロディーによる音韻表出促進 | キーワード:PACEの3要素 - 患者が「送り手」「受け手」の役割交代 - 情報ギャップの存在(相手が知らないことを伝える) - 多様なコミュニケーション手段を使用可(描画・身振り・言語など)
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