第15回 言語聴覚士国家試験 第66問
言語発達障害学第15回
発達性ディスレキシア(発達性読み書き障害)で脳機能低下がみられることが多い部位はどこか。
- 1.a
- 2.b
- 3.c
- 4.d ✓
- 5.e (別図 添付)
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — d
発達性ディスレキシア(発達性読み書き障害)では、左半球の**側頭葉(特に下側頭葉)および角回周辺**の脳機能低下が特徴的です。この領域は音韻処理と文字認識に関わる重要な部位であり、脳画像検査(PETやfMRI)で一貫して低活動が報告されています。
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【各選択肢の解説】
1. a
❌ 誤り。aが具体的に前頭葉背外側皮質や上側頭溝上部を指す場合、これらは文法や統語処理に関わる領域です。読み書き障害の主要な障害部位ではありません。
2. b
❌ 誤り。bが運動前野や補足運動野を指す場合、運動制御に関わる領域であり、発達性ディスレキシアの一次的障害部位ではありません。
3. c
❌ 誤り。cが視覚皮質や後頭葉を指す場合、単純な視力低下ではなく、読字障害が中心的な問題であるため主要部位ではありません。
4. d
✅ 正しい。dが側頭葉(特に下側頭葉)および角回を指す場合、これは正答です。この領域は文字を音に変換する音韻経路と、意味を処理する経路の両方に関わり、発達性ディスレキシアで最も一貫して低活動が見られます。
5. e
❌ 誤り。eが小脳を指す場合、小脳は運動制御と小脳認知機能に関わりますが、読み書き障害の一次的障害部位ではありません。
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【試験対策ポイント】
**発達性ディスレキシア(発達性読み書き障害)の脳機能低下部位**
| 部位 | 機能 | ディスレキシアとの関連性 |
|---|---|---|
| 側頭葉(下側頭葉) | 音韻処理・文字認識 | 最も一貫して低活動 |
| 角回(左半球) | 文字→音への変換 | 音韻経路の要 |
| 上側頭溝上部 | 音韻処理補助 | 低活動が報告される |
| ウェルニッケ野周辺 | 音韻理解 | 発達性ディスレキシアで障害される |
**ディスレキシアの特徴**
- 知的発達は正常であるが、読み書きのみ著しく遅滞
- 音韻認識障害(フォノロジカルアウェアネス低下)が基盤
- 脳画像検査:PET/fMRIで左側頭葉および角回の低活動が一貫して報告
- 遺伝的素因の関与あり
**出題で狙われるポイント**
- 「言語領域=ブローカ野+ウェルニッケ野」ではない
- 読み書き処理には側頭葉と頭頂葉の統合機能が必須
- 視力正常で読み書き困難=神経発達的障害を疑う