STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第69問

臨床心理学第15回
表のK-ABC心理・教育アセスメントバッテリーの結果の解釈で正しいのはどれか。 a.「13.ことばの読み」の得点が有意に低い b.「14.文の理解」が有意に高い c.「7.語の配列」が有意に高い d.継次処理が同時処理より有意に低い e.認知処理が習得度より有意に高い (別図 添付) 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
第15回第69問 図

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e K-ABCは認知処理と習得度の2つの領域から構成されており、下位検査の結果から個人の強み・弱みを多角的に判断します。本問は個別の下位検査得点と領域得点の統計的有意差を正しく解釈できるかを問う問題です。表の数値(標準得点、信頼区間など)から有意差の有無を読み取る必要があります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 「13.ことばの読み」の得点が有意に低い ✅ 正しい。「ことばの読み」は習得度領域の下位検査で、その標準得点が同個人の平均得点より著しく低く、信頼区間が重複していない場合は有意に低いと判断されます。読字能力の特異的な困難を示唆します。 b. 「14.文の理解」が有意に高い ❌ 誤り。「文の理解」も習得度領域の検査ですが、表の結果では平均得点との比較で有意な高さを示していません。選択肢aのような明確な乖離(低さ)とは異なります。 c. 「7.語の配列」が有意に高い ❌ 誤り。「語の配列」は継次処理の下位検査です。表の数値では、この検査が特に有意に高いという傾向は示されていません。有意性の判定には信頼区間の非重複が必要です。 d. 継次処理が同時処理より有意に低い ❌ 誤り。K-ABCの2つの主要処理領域を比較する際、表のデータでは両領域の標準得点と信頼区間を比較します。この選択肢が成立するためには継次処理の上限が同時処理の下限より低い必要がありますが、表ではこの関係が見られません。 e. 認知処理が習得度より有意に高い ✅ 正しい。K-ABCの2つの主領域である「認知処理」(同時処理と継次処理の統合)と「習得度」(読み書き計算など学習内容)を比較した場合、認知処理の得点が習得度より統計的に有意に高いパターンは、学習障害(特に習得度の低さ)を示唆します。 --- 【試験対策ポイント】 K-ABC構成と解釈の枠組み | 領域 | 下位検査例 | 評価内容 | |---|---|---| | 同時処理 | 面の概念、パターン認識 | 視空間的・同時的情報処理能力 | | 継次処理 | 数字逆唱、語の配列 | 線形的・順序的情報処理能力 | | 習得度 | ことばの読み、算数 | 学習内容の定着度 | 有意差判定の鉄則 - 信頼区間(95%)が重複しない→有意差あり - 下位検査の「特異的な高さ・低さ」と領域得点の乖離をセットで判断する - 「認知処理>習得度」パターン:知能は正常だが学習成績が低い→LD診断の参考 否定的知識 - 1つの下位検査が高い/低いだけでは有意差とは言えない(複数検査の傾向で判定) - 信頼区間が重複している場合は有意差なし 頻出パターン(ST試験での出題背景) 認知処理と習得度の乖離は言語発達遅滞やLDの鑑別診断に重要。特に「読み書き」の習得度低下は言語聴覚士の指導対象となるため、K-ABCでの検出が臨床的に意義あり。
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