STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第79問

機能性構音障害第15回
鼻咽腔構音になりやすい音はどれか。 a.イ列音 b.エ列音 c./ka/ d./pa/ e./sa/ 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e(イ列音と/sa/) 鼻咽腔構音は、口腔で閉鎖あるいは狭窄が必要な音が、鼻腔へ気流が流出して生じる。口蓋機能不全や開鼻声を呈する患者で顕著であり、**閉鎖音・摩擦音は特に影響を受けやすい**。イ列音は舌が硬口蓋に接近するため鼻腔への逸脱が起こりやすく、/sa/は摩擦音として口腔での狭窄が不可欠なため、鼻咽腔構音化しやすい。 --- 【各選択肢の解説】 a. イ列音 ✅ 正しい。イ列音(/i/)は舌が硬口蓋に接近して調音される。口蓋機能不全がある場合、鼻腔への気流逸脱が生じやすく、鼻咽腔構音になる典型的な音。 b. エ列音 ❌ 誤り。エ列音(/e/)は舌位が比較的低く、口蓋との接近度がイ列音ほど強くない。そのため鼻咽腔構音への影響は相対的に小さい。 c. /ka/ ❌ 誤り。/ka/は軟口蓋で形成される閉鎖音。口蓋機能が必要とされるが、硬口蓋での狭窄・接近を主とするイ列音や摩擦音/sa/ほどは鼻咽腔構音化しない。 d. /pa/ ❌ 誤り。/pa/は唇閉鎖音であり、口蓋機能とは独立している。鼻咽腔構音のメカニズムである「口蓋での閉鎖・狭窄不全」の影響を受けない。 e. /sa/ ✅ 正しい。/sa/は歯茎摩擦音として口腔での狭窄が不可欠。口蓋機能不全により鼻腔への気流逸脱が起こると、開鼻声化あるいは鼻咽腔構音として聴覚的に著しく変化する。 --- 【試験対策ポイント】 | 調音部位と鼻咽腔構音のなりやすさ | |---| | **硬口蓋接近音(イ列)** :鼻咽腔構音になりやすい ★★★ | | **軟口蓋閉鎖音(/ka/)** :なりやすい ★★ | | **唇閉鎖音(/pa/)** :ならない ★ | | **歯茎摩擦音(/sa/)** :なりやすい ★★★ | 鼻咽腔構音が生じるメカニズム: - 「口腔での十分な気流塞止・狭窄」が不可能 → 鼻腔への逸脱 - 硬口蓋での調音が必須な音ほど影響を受ける - 唇・歯の調音は口蓋機能に依存しないため、比較的保たれる 医学的用語の整理: - 開鼻声:鼻音化による音韻特性の変化(ゼネラル・イメージの著明な変化) - 鼻咽腔構音:摩擦音・破擦音の気流逸脱に由来する構音異常
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