第15回 言語聴覚士国家試験 第78問
機能性構音障害第15回
構音障害の評価法で誤っている組み合せはどれか。
- 1.パラトグラフィ ― 舌と口蓋の接触
- 2.超音波検査 ― 舌背の運動
- 3.内視鏡検査 ― 鼻咽腔閉鎖
- 4.発話明瞭度検査 ― 音の誤り ✓
- 5.セファログラフィ ― 口蓋咽頭後壁間距離
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 発話明瞭度検査 ― 音の誤り
発話明瞭度検査は「どの程度の割合で聞き手に理解されるか」を評価する検査であり、「音の誤りそのもの」を評価するものではありません。一方、構音検査(単音節検査など)が個別の音の誤りを同定します。発話明瞭度検査は音声の質的評価であり、音韻レベルの詳細な誤りの分析には不適切です。
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【各選択肢の解説】
1. パラトグラフィ ― 舌と口蓋の接触
✅ 正しい。パラトグラフィ(口蓋描写法)は、人工口蓋に感熱紙を張り、舌が接触した部位を黒くなった痕跡で記録する検査法です。舌と硬口蓋の接触パターンを視覚化できます。
2. 超音波検査 ― 舌背の運動
✅ 正しい。超音波検査は舌の筋肉の輪郭をリアルタイムで観察でき、舌背の動きを非侵襲的に記録できます。特に舌の厚さや位置の変化を動的に評価するのに有用です。
3. 内視鏡検査 ― 鼻咽腔閉鎖
✅ 正しい。鼻咽腔内視鏡(鼻咽腔スコープ)により、軟口蓋と咽頭側壁の上咽頭への隆起(鼻咽腔閉鎖)を直視できます。開鼻声や鼻腔漏出の有無を評価します。
4. 発話明瞭度検査 ― 音の誤り
❌ 誤り。発話明瞭度検査は「聞き手がどの程度内容を理解できたか」という総合的な理解度を測定するもので、個別の音がどのように誤っているかは評価しません。音の誤りを評価するには構音検査(音韻検査)が必要です。
5. セファログラフィ ― 口蓋咽頭後壁間距離
✅ 正しい。セファログラフィ(頭部X線規格写真)は、軟口蓋と咽頭後壁の距離を測定できる静的な検査法です。鼻咽腔閉鎖機能の評価に用いられます。
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【試験対策ポイント】
構音障害の評価法の整理:
| 検査法 | 測定内容 | 特性 |
|---|---|---|
| パラトグラフィ | 舌と口蓋の接触部位・パターン | 静的、接触記録 |
| 超音波検査 | 舌背の形態・運動 | 動的、リアルタイム |
| 内視鏡検査 | 鼻咽腔閉鎖、軟口蓋挙上 | 直視、動的 |
| セファログラフィ | 口蓋咽頭後壁間距離 | 静的、X線 |
| 構音検査 | 個別音の誤り、音韻体系 | 音響、質的評価 |
| 発話明瞭度検査 | 聞き手の理解度(%) | 総合的、相対的 |
キーワード:
- 発話明瞭度検査=「理解度」指標(「音の誤り」ではない)
- 音の詳細な誤りを知りたい→「構音検査」を使用
- 機能的側面の評価→超音波・内視鏡(動的)
- 形態的側面の評価→パラトグラフィ・セファログラフィ(静的)