第16回 言語聴覚士国家試験 第11問
リハ医学第16回
第 5 頚椎レベルでの完全脊髄損傷で出現しないのはどれか。
- 1.呼吸機能障害
- 2.直腸機能障害
- 3.勝脱機能障害
- 4.頭部感覚障害 ✓
- 5.自律神経機能障害
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 頭部感覚障害
C5完全脊髄損傷では、損傷レベル以下の神経根支配領域が障害される。C5は頭部を支配する脊髄レベルではないため、頭部感覚障害は出現しない。脊髄損傷では損傷部位より下位の知覚・運動機能が喪失するため、上位レベル(頭頸部)の感覚は温存される。
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【各選択肢の解説】
1. 呼吸機能障害
❌ 誤り。C5損傷では出現する。呼吸筋(横隔膜:C3-C5、外肋間筋:T1-T11)の支配が部分的に障害される可能性があり、特に外肋間筋は完全に失われるため、呼吸機能は低下する。C4以上の損傷で人工呼吸器依存となることが多い。
2. 直腸機能障害
✅ 正しい。C5損傷で出現する。直腸は仙髄(S2-S4)支配のため、C5損傷では損傷レベル以下の神経が全て障害され、排便反射が消失し便秘や便失禁が生じる。
3. 膀胱機能障害
✅ 正しい。C5損傷で出現する。膀胱は仙髄(S2-S4)支配のため、C5損傷では排尿反射が消失し、尿閉および反射性排尿障害が生じる。
4. 頭部感覚障害
✅ 正しい(出現しない)。頭部は三叉神経(V)で支配されており、脊髄レベルより上位の脳神経領域である。C5損傷は脊髄の損傷であり、頭部感覚は温存される。
5. 自律神経機能障害
✅ 正しい。C5損傷で出現する。交感神経(T1-L2)および副交感神経(S2-S4)の脊髄中枢が損傷レベル以下で破壊されるため、血圧調節障害、起立性低血圧、発汗異常などの自律神経機能障害が生じる。
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【試験対策ポイント】
脊髄神経分節と支配領域(重要)
| 脊髄レベル | 支配領域 |
|---|---|
| C1-C4 | 頭頸部・肩・横隔膜上部 |
| C5-C6 | 肩・上腕・前腕 |
| C7-T1 | 手指・前腕 |
| T1-T12 | 胸腹部 |
| L1-L5 | 腰部・下肢 |
| S1-S5 | 下肢・仙骨・直腸・膀胱 |
脊髄損傷の基本原則
- 損傷レベル「以下」の神経根が障害される
- 損傷レベル「以上」の領域は温存される
- C5完全脊髄損傷=T1以下全て喪失、C1-C4は温存
脊髄損傷の臓器障害
| 機能 | 支配神経根 | C5損傷での状態 |
|---|---|---|
| 呼吸 | C3-C5(横隔膜)、T1-T11(肋間筋) | 低下(肋間筋喪失) |
| 排便 | S2-S4 | 反射消失 |
| 排尿 | S2-S4 | 反射消失 |
| 自律神経 | T1-L2(交感)、S2-S4(副交感) | 著しく障害 |
| 頭部感覚 | Ⅴ脳神経(三叉神経)| 温存される |
命題の読み方:「出現しないのはどれか」の設問では、脊髄損傷の常識を逆転させた選