STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第110問

リハ医学第16回
肺炎で長期臥床した場合の合併症として誤っているのはどれか。
  1. 1.無気肺
  2. 2.高血圧 ✓
  3. 3.筋力低下
  4. 4.骨粗鬆症
  5. 5.誤嚥性肺炎

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 高血圧 長期臥床による合併症は、運動量低下、重力の影響喪失、循環動態の変化などから生じます。高血圧は臥床の直接的な合併症ではなく、むしろ臥床により血圧低下(起立性低血圧)が生じるため、誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 無気肺 ✅ 正しい。長期臥床により呼吸運動が低下し、肺の換気が不十分になることで無気肺が発生します。特に背側肺の無気肺が起こりやすいです。 2. 高血圧 ❌ 誤り。臥床により重力の影響が軽減され、血液が体全体に均等に分布するため、むしろ血圧低下傾向(起立性低血圧)が生じます。高血圧は臥床の合併症ではなく、むしろ臥床を避けるべき状態です。 3. 筋力低下 ✅ 正しい。長期臥床により抗重力筋が使用されず、廃用性筋萎縮が急速に進行します。特に下肢の筋力低下が顕著で、1週間で約10%の筋力低下が報告されています。 4. 骨粗鬆症 ✅ 正しい。臥床により骨への荷重刺激が消失するため、骨からのカルシウム流出が増加し、加速度的な骨量低下が生じます。これは廃用性骨粗鬆症と呼ばれます。 5. 誤嚥性肺炎 ✅ 正しい。臥床により嚥下反射が低下し、誤嚥のリスクが増加します。また、長期臥床患者では口腔衛生が低下しやすく、誤嚥性肺炎の発症が重大な合併症となります。 --- 【試験対策ポイント】 長期臥床の主要合併症(覚え方:「呼吸・筋肉・骨・循環」) | 部位 | 合併症 | メカニズム | |---|---|---| | 呼吸器 | 無気肺・肺炎 | 換気低下・誤嚥リスク増加 | | 筋骨格系 | 筋力低下・骨粗鬆症 | 廃用・荷重刺激喪失 | | 循環器 | 起立性低血圧・血栓 | 重力効果喪失・血流停滞 | | その他 | 褥瘡・認知機能低下 | 局所圧迫・感覚遮断 | 誤りやすいポイント: - 「血圧異常」=臥床では「低下」であり「高血圧」ではない - 臥床開始1週間で筋力10%低下(急速に進行) - 骨粗鬆症は廃用開始1ヶ月で骨塩量の変化が検出可能
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