第16回 言語聴覚士国家試験 第123問
神経系第16回
エピソード記憶に関係するのはどれか。
a.島回
b.黒質
c.淡蒼球
d.内嗅皮質
e.脳梁膨大後部皮質
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d.内嗅皮質,e.脳梁膨大後部皮質
エピソード記憶(いつ、どこで、何が起きたかという文脈を含む個人の経験の記憶)は、内側側頭葉と前頭葉内側部の回路で処理されます。内嗅皮質は海馬への主要な入力源として、また脳梁膨大後部皮質(PCC)は側頭葉記憶システムと連携する「記憶関連ハブ」として機能しており、いずれもエピソード記憶の成立に必須です。
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【各選択肢の解説】
a.島回
❌ 誤り。島回は味覚・内受容感覚・感情処理に関わり、エピソード記憶形成の直接的な責任領域ではありません。
b.黒質
❌ 誤り。黒質はドーパミン産生の中枢であり、運動制御と手続き的記憶(習慣学習)に関わります。エピソード記憶とは無関係です。
c.淡蒼球
❌ 誤り。淡蒼球は基底核の出力核として運動制御に関わり、記憶系統には含まれません。
d.内嗅皮質
✅ 正しい。内嗅皮質は海馬体への主要な皮質入力(75%以上)を担当し、文脈情報の統合を行うためエピソード記憶成立に必須です。アルツハイマー病では早期に変性します。
e.脳梁膨大後部皮質(PCC)
✅ 正しい。PCCは海馬・内嗅皮質・外側頭頂葉などと広範に結合し、エピソード記憶における時空間的文脈の処理に重要な役割を果たします。
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【試験対策ポイント】
記憶系統の脳領域整理:
| 記憶タイプ | 主要領域 | 特徴 |
|---|---|---|
| エピソード記憶 | 海馬・内嗅皮質・PCC・前頭葉内側 | いつ、どこで、何が |
| 意味記憶 | 側頭葉外側(特に前側頭葉) | 知識・概念 |
| 手続き的記憶 | 線条体・小脳・黒質 | スキル・習慣 |
重要:「PCC」と「海馬」の関係
- PCCは海馬からの出力を受け取る主要なハブ
- デフォルトモード・ネットワークの中核を構成
- 記憶想起時に活性化する領域として最頻出
基底核(b,c)は運動系統:淡蒼球・黒質は選択肢に来ると「運動or手続き的記憶」と判断する