第16回 言語聴覚士国家試験 第124問
学習心理学第16回
条件づけの消去に関わるのはどれか。
- 1.馴化
- 2.分化
- 3.自発的回復 ✓
- 4.シェーピング
- 5.外制止
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 自発的回復
消去とは、古典的条件づけで確立された条件反応が、条件刺激と無条件刺激の配対を繰り返さないことで減弱・消失する現象です。自発的回復は、消去後に時間経過があると、一度消失したはずの条件反応が自動的に回復する現象であり、消去メカニズムを理解する上で最も重要な概念です。自発的回復の発生は「消去=条件反応の完全な除去ではなく、抑制が形成されたにすぎない」ことを示唆しており、消去の本質を明確に反映しています。
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【各選択肢の解説】
1. 馴化
❌ 誤り。馴化は「繰り返し呈示された無意味な刺激に対する反応が減弱する」現象であり、条件づけそのものではなく、より単純な非連合学習です。消去とは無関係な概念です。
2. 分化
❌ 誤り。分化は「条件刺激と類似した他の刺激に対しては条件反応を生じない」ように形成する過程を指します。これは条件づけの獲得段階における現象であり、消去とは異なります。
3. 自発的回復
✅ 正しい。消去後に時間が経過すると、減弱したはずの条件反応が再び現れる現象です。消去が「抑制」の学習であることを示す直接的な証拠であり、消去メカニズムの理解に不可欠です。
4. シェーピング
❌ 誤り。シェーピングは「より複雑な行動を段階的に強化して形成する」オペラント条件づけの技法です。消去とは無関係な、行動形成に関わる概念です。
5. 外制止
❌ 誤り。外制止(外的抑制)は「新しい刺激の出現が条件反応を一時的に弱める」現象で、消去と異なります。これは一時的であり、消去のような段階的・永続的な減弱ではありません。
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【試験対策ポイント】
消去と関わる主要概念の整理
|概念|定義|条件づけとの関係|消去との関連性|
|---|---|---|---|
|消去|条件刺激と無条件刺激の配対を停止→条件反応減弱|古典的条件づけの過程|基準となる現象|
|自発的回復|消去後の時間経過で条件反応が回復|消去後に発生する現象|消去メカニズムを説明|
|馴化|無意味刺激の繰り返し呈示で反応減弱|条件づけではない非連合学習|無関係|
|分化|条件刺激と類似刺激の弁別|条件づけの獲得段階|獲得段階(消去ではない)|
|外制止|新刺激出現による一時的な反応減弱|条件づけに干渉|一時的(消去は段階的)|
|シェーピング|段階的な行動強化による形成|オペラント条件づけ技法|無関係|
頻出混同ポイント
・「消去=条件反応の完全除去」は誤解。実際には「抑制の学習」
・自発的回復があるため、消去された行動が再び現れる可能性あり
・紛らわしい選択肢(外制止)との区別:外制止は一時的、消去は永続的(ただし自発的回復で回復可能)