第16回 言語聴覚士国家試験 第138問
音声学第16回
共通語(東京方言)の4モーラ動詞終止形のアクセント型として存在しないのはどれか。
a.高低低低
b.低高高低
c.低高高高
d.高高低低
e.低高低高
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a,d,e
共通語の4モーラ動詞終止形には、NHK式アクセント体系に基づいた5つのアクセント型(0型〜4型)が存在し、それぞれ異なるピッチパターンを示します。このうち「高低低低」「高高低低」「低高低高」の3パターンは実際には存在しない不可能なアクセント型です。4モーラ動詞の存在するパターンを正確に把握することは、言語聴覚士の音声評価やアクセント障害の判定に直結します。
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【各選択肢の解説】
1. a. 高低低低
❌ 誤り(存在しない)。1モーラ目が高く、その後全て低いパターンです。NHK式アクセント体系では、4モーラ動詞においてこのようなピッチパターンを示す実例が存在しません。
2. b. 低高高低
✅ 正しい(実際に存在)。例「飲む(のむ)」の2型に相当します。1モーラ目が低く、2〜3モーラ目が高く、4モーラ目で低下するパターンです。
3. c. 低高高高
✅ 正しい(実際に存在)。例「与える(あたえる)」の4型に相当します。1モーラ目が低く、2モーラ目以降全て高く保つパターンです。
4. d. 高高低低
❌ 誤り(存在しない)。前半が高く、後半が低いパターンです。4モーラ動詞終止形のアクセント規則では実現されません。このパターンは他の品詞や活用形では見られることがありますが、4モーラ動詞終止形には対応する実例がありません。
5. e. 低高低高
❌ 誤り(存在しない)。交互に上下するパターンで、4モーラ動詞終止形には出現しません。このようなアクセント敬語は日本語のピッチアクセント体系の制約により不可能な型です。
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【試験対策ポイント】
共通語4モーラ動詞のアクセント型(実際に存在する5つ)
| アクセント型 | ピッチパターン | 例 |
|---|---|---|
| 0型(無アクセント) | 低高高高 | 与える(あたえる) |
| 1型 | 高低低低 | ※存在しない |
| 2型 | 低高高低 | 飲む(のむ) |
| 3型 | 低低高低 | 読む(よむ) |
| 4型 | 高低低低 | ※実際には別パターン |
実際の存在する型の正確な例:
- 「飲む」:低高高低(2型)
- 「読む」:低低高低(3型)
- 「与える」:低高高高(0型・無アクセント)
重要な否定知識:
- 「高低低低」は4モーラ動詞に未出現
- 「高高低低」は交差制約により不可能
- 「低高低高」は音韻論的に実現不可
キーポイント:
4モーラ単語のアクセント型は言語体系の制約により全て可能ではなく、存在する型と存在しない型が厳密に決まっている。設問では存在しない3つを選ぶため、知識が曖昧な場合は「実際の動詞の具体例を念頭に、そのピッチパターンを正確に記憶する」ことが対策となる。