第16回 言語聴覚士国家試験 第144問
言語学第16回
単字としては形態素を表さない漢字表記はどれか。
a.. 珈琲
b.. 空席
c.. 本箱
d.. 夕刊
e.. 小豆
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
この問題は「形態素」の理解が鍵です。形態素とは意味を持つ最小単位で、単漢字では形態素を表さない場合を見分ける必要があります。つまり、単字での形態素性(意味の独立性)を問う問題です。
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【各選択肢の解説】
a. 珈琲
❌ 誤り(つまり、正答に含まれる)。「珈」「琲」は単独では形態素ではなく、「珈琲」全体で初めて「コーヒー」という形態素を表します。音借文字であり、各字に独立した意味がないため、単字として形態素を表しません。
b. 空席
✅ 正しい。「空」は「空(くう)」「空(から)」、「席」は「席(せき)」として各字が独立した形態素です。両字ともに単独で意味を持ちます。
c. 本箱
✅ 正しい。「本」は書籍を指し、「箱」は容器を指します。各字が独立した形態素として機能します。
d. 夕刊
✅ 正しい。「夕」は夜間を指し、「刊」は発行物を指します。各字が独立した意味・形態素です。
e. 小豆
❌ 誤り(つまり、正答に含まれる)。「小豆(あずき)」は、「小」「豆」の字が独立した意味を失い、全体で初めて特定の豆の種類を表します。単字では形態素としての意味を持ちません。
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【試験対策ポイント】
形態素の分類と判定基準:
| | 単字での形態素性 | 複合形式 | 例 |
|---|---|---|---|
| 形態素を表す | あり | 複合語 | 空席、本箱、夕刊 |
| 形態素を表さない | なし | 音借など | 珈琲、小豆 |
重要な見分け方:
- 音借文字(当て字):各字に本来の意味がないため形態素性なし(珈琲)
- 固有の複合語読み:各字の本来意味と異なる読みの場合(小豆「あずき」)
- 意味の合成性:「空+席」「本+箱」「夕+刊」は各字の意味が合算される→形態素あり
形態素判定の実践:
- 各漢字が単独で意味を持つか
- その意味が複合語全体の意味と関連しているか
- これら両条件を満たす=単字で形態素を表す