第16回 言語聴覚士国家試験 第145問
言語学第16回
内の関係の連体節の例として適切でないのはどれか。
- 1.昨日から降り続いている雨
- 2.田中氏を特使として派遣する案 ✓
- 3.毎年正月に厄介になっている旅館
- 4.台風で天守閣が壊れてしまった城
- 5.日本で一番発着便数の多い羽田空港
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 田中氏を特使として派遣する案
この文は「外の関係」に該当します。連体節が修飾する名詞(「案」)が、述語の動作・作用の対象(目的語)となる関係です。「内の関係」とは、連体節の述語が修飾名詞を主語・目的語として含む関係を指すため、2番は不適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 昨日から降り続いている雨
✅ 正しい。「雨」は連体節「降り続いている」の主語です。「雨が降り続いている」という関係で、内の関係。
2. 田中氏を特使として派遣する案
❌ 誤り。「案」は述語「派遣する」の対象(目的語)です。「派遣する案」は「案を派遣する」という意味ではなく、「派遣するという内容の案」を指す外の関係。連体節の述語と修飾名詞の間に直接的な主述・述目の関係がない。
3. 毎年正月に厄介になっている旅館
✅ 正しい。「旅館」は連体節「厄介になっている」の目的語です。「旅館に厄介になっている」という関係で、内の関係。
4. 台風で天守閣が壊れてしまった城
✅ 正しい。「城」は連体節「壊れてしまった」の主語です。「城の天守閣が壊れた」という関係で、内の関係。
5. 日本で一番発着便数の多い羽田空港
✅ 正しい。「羽田空港」は連体節「発着便数が多い」の主語です。「羽田空港の発着便数が多い」という関係で、内の関係。
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【試験対策ポイント】
内の関係 vs 外の関係
| 内の関係 | 外の関係 |
|---|---|
| 連体節の述語が修飾名詞を「主語」または「目的語」として含む | 連体節の述語が修飾名詞を含まない |
| 例:「読んでいる本」(本が読む主語)「壊れた窓」(窓が壊れる主語) | 例:「派遣する案」「作る理由」「飲む薬」 |
| 修飾名詞と述語の間に文法的な依存関係がある | 修飾名詞は述語の意味内容を限定するが、文法的には従属していない |
紛らわしい外の関係表現
- 「~する案」「~する理由」「~する方法」:述語の内容を説明する名詞
- 「派遣する」+「案」→述語が修飾名詞を直接的に説明していない
- 判別方法:修飾名詞を述語の目的語に直せるか確認(「派遣する案」→「案を派遣する」は不自然=外の関係)