STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第179問

機能性構音障害第16回
切歯孔より前方の口蓋瘻孔によって産生が困難になりやすい子音はどれか。 a./p/ b./t/ c./k/ d./h/ e./m/ 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b(/p/と/t/) 口蓋瘻孔によって産生が困難になるのは、口腔内の気圧を高める必要がある子音です。切歯孔より前方(硬口蓋前方)の瘻孔では、両唇閉鎖や歯槽部での閉鎖時に、口腔内に圧力を形成する際に空気が瘻孔から逃げるため、/p/(両唇閉鎖音)と/t/(歯槽閉鎖音)が産生困難になります。一方、/k/は軟口蓋で産生されるため瘻孔の影響を受けにくく、/h/は無摩擦音で圧力形成が不要、/m/は鼻腔の共鳴を使う鼻音であり瘻孔の位置の影響を受けません。 --- 【各選択肢の解説】 a. /p/ ✅ 正しい。両唇を閉じて口腔内に気圧を形成する両唇閉鎖音であり、切歯孔より前方の瘻孔があると空気が漏出するため産生困難になります。 b. /t/ ✅ 正しい。舌尖が歯槽部(切歯孔付近の前方)に接触して閉鎖音を産生します。瘻孔があると閉鎖部から空気が漏れやすくなり産生困難になります。 c. /k/ ❌ 誤り。軟口蓋で産生される後部閉鎖音であり、切歯孔より前方の瘻孔とは解剖学的に離れているため影響を受けません。 d. /h/ ❌ 誤り。咽頭から呼気音として産生される無摩擦音で、口腔内の気圧形成が必要でないため、瘻孔の影響を受けません。 e. /m/ ❌ 誤り。両唇閉鎖の鼻音であり、口腔内の気圧形成ではなく鼻腔共鳴を利用するため、口蓋瘻孔による気圧低下の影響を受けません。 --- 【試験対策ポイント】 口蓋瘻孔が影響しやすい子音の判定基準 | 子音 | 産生部位 | 気圧形成の必要性 | 瘻孔の影響 | |---|---|---|---| | /p/ | 両唇 | 必要 | **大(前方瘻孔で直結)** | | /t/ | 歯槽(前方) | 必要 | **大(前方瘻孔で直結)** | | /k/ | 軟口蓋 | 必要 | 小(部位が離れている) | | /h/ | 咽頭 | 不要(無摩擦) | なし | | /m/ | 両唇(鼻音) | 不要(鼻腔共鳴) | なし | 重要ポイント: - 「切歯孔より前方」=硬口蓋前1/3領域 - 気圧が必要な閉鎖音のうち、前方で産生される音が影響を受ける - /k/は軟口蓋で産生されるため後方すぎて瘻孔の影響が少ない - 鼻音(/m//n/)と無摩擦音(/h/)は気圧依存が低い
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