STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第178問

機能性構音障害第16回
構音訓練について正しい組合せはどれか。 a.鼻咽腔構音--口腔から呼気を出す b.口蓋化構音--舌背の挙上 c./k/の/t/への置換--舌の緊張の除去 d.側音化構音--舌の緊張の除去 e.声門破裂音--喉頭の緊張の除去 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — a,d,e 機能性構音障害の訓練方法は、各障害の音声生成機序に対応した方法を選択することが重要です。正答は「鼻咽腔構音は口腔から呼気を出す訓練」「側音化構音は舌の緊張の除去」「声門破裂音は喉頭の緊張の除去」という3つの組合せが正しく、それぞれ障害の原因機序に対応した訓練内容です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 鼻咽腔構音--口腔から呼気を出す ✅ 正しい。鼻咽腔構音は軟口蓋の挙上不全により呼気が鼻腔へ流出する障害であり、訓練では口腔から呼気を出す習慣をつけることが基本的なアプローチです。「あ、い」など開口音から訓練を開始します。 b. 口蓋化構音--舌背の挙上 ❌ 誤り。口蓋化構音は舌背を硬口蓋に接触させる音(例:/s/が「しゃ行」化する)であり、問題は「舌背が上がりすぎている」「舌が高い位置にある」ことです。訓練は「舌背の挙上」ではなく「舌背を低くする」「舌位を前に出す」が正しい目標です。 c. /k/の/t/への置換--舌の緊張の除去 ❌ 誤り。/k/(軟口蓋音)が/t/(歯茎音)に置換する場合、原因は「舌根部の緊張」「舌全体の後縮」です。訓練は「舌の緊張を除去する」という単純なものではなく、舌背を挙上し軟口蓋に接触させる位置を学習させる「発音位置の改善訓練」が必要です。 d. 側音化構音--舌の緊張の除去 ✅ 正しい。側音化構音(/s/が側音のような音になる)は舌の筋緊張が高く、舌背が硬口蓋中央溝に十分に接触できない状態です。訓練では舌の緊張を除去し、弛緩させることで舌中央の溝形成を促進することが重要です。 e. 声門破裂音--喉頭の緊張の除去 ✅ 正しい。声門破裂音は喉頭の過度な緊張により声帯が閉じて呼気を遮断する障害です。訓練では喉頭の緊張を除去し、弛緩させることで正常な音声生成を促進します(低い声での「あ~」発声など)。 --- 【試験対策ポイント】 機能性構音障害の訓練原則:「障害の原因=訓練の目標」 | 障害名 | 原因機序 | 訓練方法 | |---|---|---| | 鼻咽腔構音 | 軟口蓋挙上不全→鼻腔流出 | 口腔から呼気を出す | | 口蓋化構音 | 舌背が高すぎる→硬口蓋接触 | 舌背の低下・前方化 | | /k/→/t/置換 | 舌根の後縮 | 発音位置の再学習 | | 側音化構音 | 舌の過緊張→中央溝不形成 | 舌の緊張除去・弛緩 | | 声門破裂音 | 喉頭の過緊張→声帯閉鎖 | 喉頭の緊張除去 | 重要否定知識: - 「舌の緊張の除去」が訓練目標になるのは「側音化構音」「声門破裂音」だけ - 口蓋化構音で「舌背の挙上」
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