第16回 言語聴覚士国家試験 第180問
臨床歯科医学/口腔外科学第16回
22q11.2欠失症候群の徴候でないのはどれか。
- 1.特徴的顔貌
- 2.耳介奇形 ✓
- 3.咽頭・口蓋の異常
- 4.心奇形
- 5.知的障害
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 耳介奇形
22q11.2欠失症候群は22番染色体長腕の11.2領域の微小欠失によって生じる症候群で、多様な身体徴候を伴います。耳介奇形は本症候群の典型的な徴候ではなく、むしろ耳介の位置異常や耳介の形態的特徴(低位耳など)とは区別される症状です。本症候群では他の4つの選択肢に示される徴候が顕著に認められます。
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【各選択肢の解説】
1. 特徴的顔貌
✅ 正しい。22q11.2欠失症候群の主要な臨床徴候です。獣脂様顔貌(短い下顎、長い顔貌)、眼間開大、下眼瞼の外反、耳の低位置などが特徴的です。顔貌所見は診断の重要な手がかりとなります。
2. 耳介奇形
❌ 誤り。耳介奇形は22q11.2欠失症候群の典型的徴候ではありません。むしろ低位耳や耳の位置異常が見られることはありますが、耳介の構造的奇形(例:三角耳、折れ耳など)は本症候群の特徴ではなく、正答です。
3. 咽頭・口蓋の異常
✅ 正しい。口蓋裂や顎裂の高い発生率が認められ、これは22q11.2欠失症候群の最重要な口腔領域の徴候です。また、咽頭筋の発達不全による嚥下困難や逆流性食道炎も併発しやすいです。
4. 心奇形
✅ 正しい。本症候群の最も重篤な病態です。四肢血管奇形、動脈円錐部奇形(Fallot四徴症など)、大動脈弓異常、房室中隔欠損症などが高頻度で認められ、生命予後に直結する重要な徴候です。
5. 知的障害
✅ 正しい。軽度から中等度の知的障害が高頻度(約70%)に認められます。学習障害や行動異常も併存することが多く、神経発達学的異常は本症候群の中核的病態です。
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【試験対策ポイント】
**22q11.2欠失症候群の主要徴候(DiGeorge症候群)**
| 領域 | 主要徴候 |
|---|---|
| 顔貌 | 獣脂様顔貌、眼間開大、下眼瞼外反、長い顔 |
| 口腔・咽頭 | 口蓋裂、顎裂、咽頭筋発達不全 |
| 心 | 四肢血管奇形、Fallot四徴症、大動脈弓異常 |
| 神経発達 | 知的障害(70%)、学習障害、ADHDリスク |
| 免疫 | 胸腺形成不全 |
| 耳 | 低位耳、聴覚障害(伝導性) |
**鑑別ポイント**
- 耳介の「奇形」(三角耳・折れ耳など)は本症候群では典型的ではない
- 低位耳や耳の位置異常は認められるが「構造的奇形」ではない
- CHARGE症候群などでは耳介奇形が目立つ(区別が重要)
**ST領域での関連知識**
- 口蓋裂に伴う構音障害(鼻音化、開鼻声)
- 嚥下機能障害への対応
- 知的障害に合わせた言語発達支援