STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第16回 言語聴覚士国家試験 第46問

言語学第16回
言語の語用的側面の発達に関係するのはどれか。
  1. 1.語棄の増加
  2. 2.音韻の意識
  3. 3.会話の持続 ✓
  4. 4.喃語の出現
  5. 5.助詞の獲得

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 会話の持続 語用的側面(プラグマティクス)とは、言語を社会的・コミュニケーションの文脈の中でいかに使用するかという側面です。会話の持続は、対話者との相互作用を維持し、社会的な交流を成立させる能力であり、典型的な語用論的発達です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 語彙の増加 ❌ 誤り。これは意味論的側面(セマンティクス)の発達です。語彙という「言葉の意味内容」の学習であり、言語の使用場面や社会的機能とは関係ありません。 2. 音韻の意識 ❌ 誤り。これは音韻論的側面(フォノロジー)の発達です。音のシステムや音韻体系の認識に関するもので、社会的コミュニケーション機能ではなく、音声体系の理解です。 3. 会話の持続 ✅ 正しい。会話の持続は典型的な語用的発達です。相手の発話に応じる、話題を続ける、相互作用を調整するなど、社会的・実用的な文脈の中で言語を機能させる能力を反映しています。 4. 喃語の出現 ❌ 誤り。喃語は音韻論的側面の初期段階です。音声産生能力の発達であり、社会的コミュニケーション機能の発達ではありません。 5. 助詞の獲得 ❌ 誤り。これは統語論的側面(シンタックス)の発達です。文法体系における助詞という要素の学習であり、社会的な言語使用機能とは異なります。 --- 【試験対策ポイント】 言語発達の5つの側面と該当する発達項目: | 側面 | 定義 | 発達例 | |---|---|---| | **音韻論** | 音のシステム | 喃語、音の弁別、音韻削減 | | **統語論** | 文法・句構造 | 助詞獲得、文の複雑化 | | **意味論** | 語の意味 | 語彙増加、語義の精密化 | | **語用論** | 社会的コミュニケーション機能 | 会話持続、指差し指示、修復、役割交代 | | **形態論** | 形態素の構造 | 複合語、接尾辞の使用 | 語用論的発達の重要キーワード: - 話題導入と話題継続 - 対話者への相互調整 - 修復(わからないときの対応) - ターンテイキング(会話の交代) - 前提設定(聞き手の知識に応じた説明) 国試では「語用」という語が出たら「社会的コミュニケーション機能」と即座に想起することが合格の鍵です。
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