第17回 言語聴覚士国家試験 第103問
臨床神経学第17回
正しい組合せはどれか。
- 1.右舌咽神経障害 ― 右舌前2/3の味覚障害
- 2.右視神経障害 ― 左同名半盲
- 3.右副神経障害 ― カーテン徴候
- 4.右動眼神経障害 ― 右眼瞼下垂 ✓
- 5.右外転神経障害 ― 右眼の外側への偏位
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 右動眼神経障害 — 右眼瞼下垂
動眼神経(Ⅲ)は眼瞼挙筋を支配するため、右動眼神経が障害されると右眼瞼下垂が生じます。これは動眼神経の機能を理解する上で最も基本的かつ確実な所見です。
---
【各選択肢の解説】
1. 右舌咽神経障害 — 右舌前2/3の味覚障害
❌ 誤り。舌前2/3の味覚を支配するのは顔面神経(Ⅶ)です。舌咽神経(Ⅸ)は舌後1/3の味覚を担当しており、右舌咽神経障害では「右舌後1/3の味覚障害」が正しい組合せです。
2. 右視神経障害 — 左同名半盲
❌ 誤り。視神経(Ⅱ)の障害は同側の視野欠損(右視神経障害なら右眼視野欠損)を生じます。同名半盲(両眼の同側視野が欠損)は、視神経より後方の視放線・後頭葉の障害で起こるため、この組合せは誤りです。
3. 右副神経障害 — カーテン徴候
❌ 誤り。カーテン徴候(咽頭後壁が患側に偏位し、正常側へ開く様子がカーテンのように見える)は、咽頭挙筋を支配する迷走神経(Ⅹ)の障害で生じます。副神経(Ⅺ)は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配し、障害時には同側への頸部回転困難や肩挙上困難が見られます。
4. 右動眼神経障害 — 右眼瞼下垂
✅ 正しい。動眼神経(Ⅲ)は眼瞼挙筋(上直筋とともに)を支配しています。右動眼神経が障害されると、右眼の挙筋麻痺により右眼瞼下垂が生じます。
5. 右外転神経障害 — 右眼の外側への偏位
❌ 誤り。外転神経(Ⅵ)は外側直筋を支配し、その障害により外転(外側への運動)ができなくなります。そのため患眼は内側に寄ってしまい、「右眼の内側への偏位」が正しい所見です。外側への偏位ではなく内側への偏位が起こります。
---
【試験対策ポイント】
脳神経と臨床徴候の対応表:
| 神経 | 番号 | 主な支配筋 | 障害時の主徴候 |
|---|---|---|---|
| 顔面神経 | Ⅶ | 表情筋・涙腺・舌前2/3味覚 | 顔面麻痺・舌前2/3味覚障害 |
| 舌咽神経 | Ⅸ | 舌後1/3味覚 | 舌後1/3味覚障害 |
| 迷走神経 | Ⅹ | 咽頭挙筋・声帯 | カーテン徴候・嗄声 |
| 副神経 | Ⅺ | 胸鎖乳突筋・僧帽筋 | 頸部回転困難・肩挙上困難 |
| 動眼神経 | Ⅲ | 眼瞼挙筋・上下内側直筋 | 眼瞼下垂・眼球運動障害 |
| 外転神経 | Ⅵ | 外側直筋 | 内側への眼球偏位(外転不可) |
重要な否定知識:
- 視神経障害では「同名半盲