第17回 言語聴覚士国家試験 第105問
内科学第17回
糖尿病でみられないのはどれか。
- 1.アキレス腱反射の減弱
- 2.振動覚の亢進 ✓
- 3.網膜症
- 4.腎 症
- 5.昏 睡
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 振動覚の亢進
糖尿病の合併症として神経障害が生じる際、振動覚は低下(または消失)します。振動覚の亢進(増強)は糖尿病では起こらず、むしろ末梢神経障害により振動覚感度は減弱するため、これが誤った選択肢となります。
---
【各選択肢の解説】
1. アキレス腱反射の減弱
✅ 正しい。糖尿病性末梢神経障害により下位運動ニューロンが障害されると、腱反射は減弱または消失します。アキレス腱反射の減弱は糖尿病性ニューロパチーの代表的な所見です。
2. 振動覚の亢進
❌ 誤り。糖尿病性末梢神経障害では振動覚は低下または消失するのであり、決して亢進(増強)することはありません。これが問題の答えです。
3. 網膜症
✅ 正しい。糖尿病性網膜症は、高血糖による細小血管障害の代表的な合併症で、糖尿病患者の失明原因として重要です。微小血管瘤・硬性滲出・綿花状白斑などの所見が見られます。
4. 腎症
✅ 正しい。糖尿病性腎症は細小血管障害により糸球体基底膜が障害され、蛋白尿・腎機能低下が進行します。糖尿病の最大の死因関連合併症の一つです。
5. 昏睡
✅ 正しい。糖尿病昏睡は、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)や高浸透圧高血糖症候群(HHS)により意識障害が生じた状態です。これは急性の重篤な合併症です。
---
【試験対策ポイント】
糖尿病の三大合併症(血管障害)
| 合併症 | 障害部位 | 主な所見 |
|---|---|---|
| 網膜症 | 眼底細小血管 | 微小血管瘤、硬性滲出、新生血管 |
| 腎症 | 糸球体基底膜 | 蛋白尿、クレアチニン上昇、腎不全 |
| 神経障害 | 末梢神経 | 反射低下、感覚障害、筋力低下 |
糖尿病性末梢神経障害の感覚障害パターン
- 振動覚:低下・消失(亢進は絶対にない)
- 温度覚:低下
- 痛覚:低下・消失
- 位置覚:低下
糖尿病昏睡の分類
| タイプ | 主因 | 血糖値 |
|---|---|---|
| ケトアシドーシス昏睡 | pH低下・DKA | 高い(250以上) |
| 高浸透圧昏睡 | 脱水・高浸透圧 | 極めて高い(600以上) |
| 低血糖昏睡 | インスリン過剰 | 低い |
出題パターン:「糖尿病でみられないのは」という否定形の問題では、生理学的に反対の現象(亢進vs低下など)が選択肢に含まれることが多いため注意が必要です。