第28回 言語聴覚士国家試験 第111問
内科学第28回
閉塞性睡眠時無呼吸症候群について誤っているのはどれか。
a.無呼吸時には呼吸筋の活動が停止する。
b.口蓋扁桃肥大が原因となる。
c.咽頭扁桃肥大が原因となる。
d.重症例には気管切開が適応となる。
e.鼻炎治療は無効である。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
# 第28回 第111問 解説
■ 正答:2番 — a,e
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は、睡眠中に上気道が繰り返し閉塞して呼吸停止が生じる疾患です。**a「無呼吸時には呼吸筋の活動が停止する」と e「鼻炎治療は無効である」が誤りです。**
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【各選択肢の解説】
**a. 無呼吸時には呼吸筋の活動が停止する。**
❌ **誤り。** OSAS(閉塞性)では呼吸筋の活動は**継続**しており、その差異が中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSSA)との大きな区別点です。OSAS では横隔膜やその他の呼吸筋が活発に収縮していますが、気道が物理的に閉塞されているために気流が通らない状態が生じます。
**b. 口蓋扁桃肥大が原因となる。**
✅ 正しい。口蓋扁桃(口咽頭部)の肥大が気道を狭窄させ、OSAS の重要な原因となります。小児での OSAS 原因として特に頻度が高い。
**c. 咽頭扁桃肥大が原因となる。**
✅ 正しい。咽頭扁桃(アデノイド)の肥大も上気道の狭窄に寄与し、OSAS の原因となります。特に小児例では両者が合併することが多い。
**d. 重症例には気管切開が適応となる。**
✅ 正しい。重症 OSAS で非観血的治療(CPAP・マウスピース)の効果が不十分な場合、気管切開は**気道の完全な迂回経路を作成**して有効です。ただし合併症(狭窄・感染)を考慮し、CPAP が第一選択。
**e. 鼻炎治療は無効である。**
❌ **誤り。** 鼻閉塞が存在する場合、**鼻炎治療は OSAS の症状改善に効果的**です。ステロイド鼻吸入や抗ヒスタミン薬などにより気道抵抗が減少します。
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【試験対策ポイント】
**■ OSAS と CSSA の鑑別(最頻出)**
| 項目 | OSAS(閉塞性) | CSSA(中枢性) |
|---|---|---|
| 呼吸筋の活動 | **継続している**(活動あり) | 停止している |
| 気道 | **物理的に閉塞** | 特に塞がっていない |
| 原因 | 肥満・咽頭部狭窄・舌根沈下 | 脳幹呼吸中枢の機能低下・心疾患 |
| 検査 | ポリソムノグラフィ(胸部・腹部の陰圧呼吸運動あり) | 呼吸努力がない |
**■ OSAS の原因と対策**
- **口蓋・咽頭扁桃肥大** → 扁桃摘出術
- **肥満** → 体重減量(第一選択)
- **鼻閉塞** → 鼻炎治療で気道抵抗を改善
- **舌根沈下** → CPAP・マウスピース(下顎前突装置)
**■ CPAP の作用**
気道の陽圧圧迫により睡眠中の上気道を開放状態に保つ。重症 OSAS の標準治療。
**■ 気管切開の位置づけ**
CPAP 不耐性や重症例での有効な手段だが、狭窄・感染などの長期合併症があるため、侵襲性の低い治療から段階的に進める。
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