第28回 言語聴覚士国家試験 第106問
内科学第28回
急性腎不全の病態と原因との組合せで誤っているのはどれか。
- 1.腎前性 - 熱傷
- 2.腎前性 - 脱水
- 3.腎実質性 - 間質性腎炎
- 4.腎実質性 - 尿細管壊死
- 5.腎後性 - 片側尿管閉塞 ✓
正答:5番
解説
急性腎不全の分類と原因についての問題を解説します。
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■ 正答:5番 — 片側尿管閉塞
**解説**
急性腎不全(ARF)は、腎機能が急激に低下してクレアチニン上昇・乏尿をきたす状態です。その原因は以下の3つに大別されます:
1. **腎前性**(循環血液量減少、心拍出量低下):腎灌流圧の低下により生じます
2. **腎実質性**(腎臓自体の障害):糸球体濾過膜や尿細管の損傷
3. **腎後性**(尿路閉塞):尿の排出経路の障害
正答の5番「片側尿管閉塞」は、**片側性の病変であり両側ではない**ため、もう一方の腎臓が機能していれば急性腎不全には至りません。尿量低下を引き起こすには、**両側の尿管閉塞または唯一腎の閉塞**が必要です。腎後性ARFは両側性の病変が必須条件です。
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【各選択肢の解説】
1. **腎前性 - 熱傷**
✅ 正しい。熱傷では大量の体液が喪失して循環血液量が急減し、腎灌流圧が低下して腎前性ARFが生じます。
2. **腎前性 - 脱水**
✅ 正しい。脱水(下痢・嘔吐・熱中症など)は体液喪失の典型的な原因で、腎灌流圧低下により腎前性ARFをきたします。
3. **腎実質性 - 間質性腎炎**
✅ 正しい。薬剤性(NSAIDs、抗生物質など)や感染に伴う間質性腎炎は、尿細管周囲の炎症で尿細管機能を障害し、急性腎実質性障害をきたします。
4. **腎実質性 - 尿細管壊死**
✅ 正しい。急性尿細管壊死(ATN)は急性腎不全の最大原因(全ARFの40~50%)です。虚血性(腎灌流圧低下)または毒性(薬物・造影剤・横紋筋融解症)が原因となります。
5. **腎後性 - 片側尿管閉塞**
❌ 誤り。片側尿管閉塞では対側腎で代償的に機能が保たれるため、乏尿や急性腎不全には至りません。**腎後性ARFは両側性の病変が前提**です。
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【試験対策ポイント】
**急性腎不全の病因分類(頻出)**:
| 分類 | 責任臓器 | 主な原因 | 検査所見の特徴 |
|---|---|---|---|
| 腎前性 | 腎臓の外 | 脱水・出血・やけど・DIC | BUN/Cr比が高い(脱水時は尿濃縮)。尿Na濃度<20 mEq/L |
| 腎実質性 | 腎臓自体 | 尿細管壊死・糸球体腎炎・間質性腎炎 | BUN/Cr比が低い(通常10:1程度)。尿Na濃度>20 mEq/L |
| 腎後性 | 尿路下流 | 尿路結石・腫瘍・BPH(前立腺肥大)による両側閉塞 | 両側腎盂水腎症。**片側閉塞では急性腎不全に至らない** |
**腎前性ARFの鑑別のコツ**:
- 腎灌流圧を低下させる原因 = 体液喪失(脱水・下痢・嘔吐・熱傷)、血圧低下(敗血症・DIC・心