第17回 言語聴覚士国家試験 第110問
リハ医学第17回
脳卒中片麻痺患者のADLで誤っているのはどれか。
- 1.座位から車いすへの移乗の際は、車いすは麻痺側寄りに置く。。 ✓
- 2.起き上がりの際は、仰臥位から非麻痺側へ寝返る。
- 3.立ち上がりの際は、重心を前方に移動させる。
- 4.着衣の際は、麻痺側の腕から通す。
- 5.杖は非麻痺側の手に持つ。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 座位から車いすへの移乗の際は、車いすは麻痺側寄りに置く。
脳卒中片麻痺患者では、非麻痺側が優位で活動が容易です。座位から車いスへの移乗は、非麻痺側の下肢に重心を置き、非麻痺側で床を蹴って身体を回転させる方が効率的。そのため車いすは非麻痺側寄りに置く必要があります。麻痺側寄りに置くと、麻痺側の脚で支持する必要が生じ、移乗が困難になり転倒リスクが高まります。
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【各選択肢の解説】
1. 座位から車いすへの移乗の際は、車いすは麻痺側寄りに置く。
❌ 誤り。車いすは非麻痺側寄りに置くのが正しい。非麻痺側で床を蹴り、その側へ身体を回転させることで安定した移乗が可能になります。
2. 起き上がりの際は、仰臥位から非麻痺側へ寝返る。
✅ 正しい。仰臥位から起き上がる場合、非麻痺側へ寝返ることで非麻痺側の上肢で床を押し、非麻痺側の脚で支持して起き上がることができます。
3. 立ち上がりの際は、重心を前方に移動させる。
✅ 正しい。座位から立ち上がる際、重心を前方に移動させることで膝関節を伸展させやすくなり、効率的な立ち上がりが可能です。これは片麻痺患者に限らず基本原則。
4. 着衣の際は、麻痺側の腕から通す。
✅ 正しい。自力で脱衣する際は麻痺側から脱ぎますが、着衣は麻痺側から通す(先に入れる)ことで、非麻痺側の上肢の対側移動が容易になります。
5. 杖は非麻痺側の手に持つ。
✅ 正しい。杖は非麻痺側の手に持つことで、歩行時に麻痺側下肢への荷重が不足した時にバランスを補正できます。同側杖は不安定性を増加させるため用いません。
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【試験対策ポイント】
脳卒中片麻痺患者のADL訓練(重要原則)
| ADL項目 | 実施方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 寝返り | 非麻痺側へ寝返る | 非麻痺側上肢で床押し・支持が可能 |
| 起き上がり | 非麻痺側へ向いて起き上がる | 非麻痺側での支持が安定的 |
| 移乗 | 非麻痺側寄りに移乗先を置く | 非麻痺側で重心移動・床蹴り |
| 着衣 | 麻痺側から通す | 非麻痺側での対側移動が容易 |
| 脱衣 | 非麻痺側から脱ぐ | 脱ぎやすい側から脱ぎやすく |
| 杖使用 | 非麻痺側で保持 | バランス補正・荷重支持が有効 |
試験での引っかかりポイント:「移乗」「着衣」は「どちら側か」で引っかかりやすい。覚え方として「非麻痺側が優位で動く=移乗先は非麻痺側、着衣は麻痺側から(結果的に非麻痺側で優位的に着る)」と整理すること。