第17回 言語聴覚士国家試験 第111問
聴覚系第17回
成人の滲出性中耳炎の症状はどれか。
a.顔面神経麻痺
b.発 熱
c.耳 漏
d.難 聴
e.耳閉感
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d.難聴、e.耳閉感
滲出性中耳炎は中耳腔に液体が貯留する状態で、鼓膜振動の制限と音の伝導低下が主症状です。正答は「難聴」と「耳閉感」です。難聴は中耳の機械的な音伝導不全によって生じ、耳閉感は中耳内圧低下に伴う違和感として自覚されます。
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【各選択肢の解説】
a. 顔面神経麻痺
❌ 誤り。顔面神経麻痺は滲出性中耳炎の典型症状ではありません。顔面神経麻痺は急性中耳炎の重篤な合併症(鼓室内の炎症が顔面神経を直接刺激)として稀に起こりますが、感染性でない滲出性中耳炎では通常発生しません。
b. 発熱
❌ 誤り。滲出性中耳炎は非化膿性であり、全身的な炎症反応が限定的です。急性中耳炎では発熱が顕著ですが、滲出性中耳炎では発熱を伴うことは通常ありません。むしろ無熱で経過することが特徴です。
c. 耳漏
❌ 誤り。耳漏(耳からの液体排出)は急性化膿性中耳炎で鼓膜穿孔時に見られる症状です。滲出性中耳炎では鼓膜穿孔を起こさないため、耳漏は認められません。液体は中耳腔内に貯留したままです。
d. 難聴
✅ 正しい。滲出性中耳炎の最も特徴的で頻繁な症状です。中耳液の増加による鼓膜と耳小骨の振動制限が生じ、伝音難聴(通常40dB以下)を呈します。特に小児では言語発達遅滞の原因となることがあります。
e. 耳閉感
✅ 正しい。中耳腔の負圧により生じます。患者は「耳が詰まった感じ」「耳がこもった感じ」として訴えることが多く、難聴とともに滲出性中耳炎の代表的な自覚症状です。
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【試験対策ポイント】
急性化膿性中耳炎と滲出性中耳炎の症状比較
| 症状 | 急性化膿性中耳炎 | 滲出性中耳炎 |
|---|---|---|
| 発熱 | ◎ あり | ◎ なし |
| 耳痛 | ◎ 強い | ◎ なし |
| 耳漏 | ◎ あり(穿孔時) | ◎ なし |
| 難聴 | ○ 伝音難聴 | ◎ 伝音難聴 |
| 耳閉感 | ○ 軽い | ◎ 顕著 |
| 顔面神経麻痺 | △ 稀な合併症 | △ ない |
キーワード
- 滲出性中耳炎=「無症状〜難聴と耳閉感のみ」
- 中耳液の存在が本態(化膿していない)
- 伝音難聴は軽度(40dB以下)
- 小児の言語発達遅滞の原因に注意