第17回 言語聴覚士国家試験 第109問
言語発達障害学第17回
小児の自閉症について誤っているのはどれか。
- 1.他の子と遊べない。
- 2.言語発達が遅い。
- 3.指さす方向を見る。 ✓
- 4.融通が利かない。
- 5.抱かれるのをいやがる。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 指さす方向を見る。
自閉症の診断的特徴として、共同注視(他者の指さしや視線方向の追跡)が障害されます。つまり、自閉症児は「他者が指さす方向を見ることができない、または見ようとしない」という特性があります。設問は「指さす方向を見る」と述べており、これは自閉症児には見られない行動であり、むしろ定型発達児が示す正常な応答です。したがって、自閉症の特徴としては誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 他の子と遊べない。
✅ 正しい。自閉症の核的特徴である「社会的相互作用の質的障害」に該当します。同年代の子どもとの相互的な遊びが困難で、一人遊びや平行遊びに留まる傾向があります。
2. 言語発達が遅い。
✅ 正しい。自閉症児の多くは初語の出現遅延、語彙発展の遅滞を示します。言語の実用的側面(用途・コミュニケーション機能)の障害が特に顕著です。
3. 指さす方向を見る。
❌ 誤り。自閉症児の典型的な特徴は「共同注視の障害」です。他者が指さしても、その方向を見ずに代わりに指そのものに視線が向かう(または全く注意が向かない)ことが診断的に重要です。
4. 融通が利かない。
✅ 正しい。限定された、反復的で常同的な行動・興味・活動パターン(restricted, repetitive behaviors)は自閉症のDSM-5診断基準の柱です。ルーティンの変更に著しい苦痛を示します。
5. 抱かれるのをいやがる。
✅ 正しい。多くの自閉症児は親からの身体接触を拒否し、肩や腰の支持よりも距離を保ちたいという反応(感覚過敏性や接近回避)を示します。
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【試験対策ポイント】
自閉症の診断的特徴(DSM-5準拠)
| 領域 | 特徴 | 該当選択肢 |
|---|---|---|
| 社会的相互作用 | 同年代との遊びが困難、孤立的 | 1番 |
| コミュニケーション | 言語発達遅延、語用論的障害 | 2番 |
| **共同注視(重要)** | **他者の指さし・視線追従ができない** | **3番(誤り)** |
| 柔軟性・興味 | ルーティンへの固執、常同的行動 | 4番 |
| 感覚・身体接触 | 感覚過敏、身体接触拒否 | 5番 |
共同注視の障害は「社会的認知の障害」を示す最も早期に検出可能な指標(乳幼児健診で18〜24ヶ月で評価対象)であり、自閉症スクリーニングの重要項目です。「指さす方向を見ることができない」という負の記述が自閉症の特徴なので、「見る」という肯定文は自閉症児には当てはまらず、誤答選択肢となります。