第17回 言語聴覚士国家試験 第137問
音声学第17回
アクセントの機能はどれか。
a.和語と漢語を区別する。
b.語幹と語尾を区別する。
c.語を弁別する。
d.語の結合を示す。
e.動詞の活用形を示す。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
日本語のアクセントの機能は、語そのものを弁別する(例:柿[LHL]vs.垣[HLL]、橋[HLL]vs.箸[LHL])ことと、複数の語を組み合わせた際の結合関係を示す(複合語でのピッチパターン変化)ことです。アクセント自体は語の品詞や語幹・語尾の区別には直接的に機能しません。
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【各選択肢の解説】
a. 和語と漢語を区別する。
❌ 誤り。アクセントは同じく和語にも漢語にも存在し、両者を区別するものではありません。和語と漢語の区別は語源や音韻体系の違いであって、アクセント自体の機能ではありません。
b. 語幹と語尾を区別する。
❌ 誤り。語幹と語尾の区別は形態論的な概念で、アクセントパターンには直接反映されません。アクセントは語全体の弁別機能を果たすものであり、語幹と語尾の境界を示す機能はありません。
c. 語を弁別する。
✅ 正しい。これはアクセントの最も重要な機能です。「柿」[LHL]=二拍目がH(高)、「垣」[HLL]=一拍目がH、というように異なるアクセント型を持つ語は別の単語として弁別されます。この弁別機能がアクセントの本質です。
d. 語の結合を示す。
✅ 正しい。複合語や名詞句が形成される際、構成要素である各語のアクセント型が変化(特に複合語で後部要素のアクセント型が無核化することが多い)し、それにより語がどう結合しているかを示します。例えば「机+脚」→「机脚」でのアクセント変化が結合を表現します。
e. 動詞の活用形を示す。
❌ 誤り。動詞の活用形(活用語尾の種類)は、接尾辞や助動詞といった形態的要素で示されるもので、アクセント変化では示されません。アクセントはそれぞれの活用形に付与されるものであり、活用形そのものを示すメカニズムではありません。
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【試験対策ポイント】
| 機能 | 説明 | 具体例 |
|---|---|---|
| 弁別機能 | 異なるアクセント型=異なる語 | 柿[LHL] vs. 垣[HLL] |
| 結合表示機能 | 複合時のアクセント変化で関係を表示 | 「机脚」のアクセント型変化 |
| 非機能 | 品詞区別、語幹・語尾区別、活用形区別 | これらはアクセント以外の要素で判定 |
キーワード:アクセント=「語を区別する最小の音的単位」「高低パターンの弁別的機能」「結合時のピッチ変化」