第17回 言語聴覚士国家試験 第138問
音声学第17回
下線部の子音に同化が見られるのはどれか。
- 1.あさがお(朝顔)
- 2.かたな(刀)
- 3.しんぶん(新聞) ✓
- 4.はなぢ(鼻血)
- 5.みれる(見れる)
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — しんぶん(新聞)
「しんぶん」のん(鼻音)が後続する「ぶ」(両唇閉鎖音)に同化して両唇鼻音「ん」→「m」に変わる現象です。日本語の同化は後続音の調音点に前の音が合わせる「順行同化」が典型例で、しんぶんはこれに該当します。
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【各選択肢の解説】
1. あさがお(朝顔)
❌ 誤り。「さ」と「が」の間で音韻変化は起こりません。各音が独立しており、同化現象ではなく単なる音の連続です。
2. かたな(刀)
❌ 誤り。「た」と「な」は別の調音点を持つ音ですが、同化は生じていません。「かたな」は各音素が明確に区別された発音です。
3. しんぶん(新聞)
✅ 正しい。「ん」(鼻音)が後続する「ぶ」(両唇閉鎖音)の調音点に合わせて、歯茎鼻音「n」から両唇鼻音「m」に同化します。実際の発音は「しんぶん」ではなく「しっぷん」あるいは「しむぶん」に近い音になります。
4. はなぢ(鼻血)
❌ 誤り。「な」と「ぢ」の間に同化は起こりません。「ぢ」は通常「じ」と発音されますが、これは音の融合や同化ではなく単なる音韻的な発音慣例です。
5. みれる(見れる)
❌ 誤り。「れ」と「る」は同じ音韻カテゴリー(流音)ですが、同化現象ではなく別の音素です。音の連続に過ぎません。
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【試験対策ポイント】
日本語の同化のパターン:
| 同化の種類 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 順行同化 | 前の音が後続音に合わせる | しんぶん(ん→m) |
| 逆行同化 | 後続音に前の音が合わせる | (日本語では稀) |
| 相互同化 | 両音が中間音に収束 | (日本語では稀) |
頻出同化現象:
- ん+両唇音(ば・ぱ・ま)→「m」に同化(しんぶん・せんぱい・かんぱい)
- ん+歯茎音(だ・た・ん)→「n」のまま(さんだ・かんたい)
- ん+軟口蓋音(か・が)→「ŋ」に同化(さんか・いんか)
「同化」の定義:隣接する音が互いに影響を及ぼし、調音点・調音方法が相互に近づく現象。単なる音の連続や音韻変化(撥音便など)は同化ではない点が重要。