第17回 言語聴覚士国家試験 第159問
失語症第17回
仮名キーワード法について誤っているのはどれか。
- 1.50音列を利用する。 ✓
- 2.機能再編成法である。
- 3.仮名文字の訓練である。
- 4.意味を介する経路を利用する。
- 5.モーラ分解・抽出が必要とされる。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 50音列を利用する
仮名キーワード法は「モーラ単位の分解・再構成」に基づいており、50音の順序(音韻順)ではなく、「音韻的特性(モーラ構造)」を利用します。50音列の行・段の関係性は利用していません。
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【各選択肢の解説】
1. 50音列を利用する
❌ 誤り。仮名キーワード法の核は「モーラの音韻的分解」であり、50音列の体系的順序(行・段)を利用しません。あ行・か行といった分類ではなく、「音韻構造の再編成」を重視します。
2. 機能再編成法である
✅ 正しい。損傷した言語機能を迂回し、残存する音韻処理能力を活用して命名や発話を回復させる方法であり、機能再編成(脳の代償的再編成)の一種です。
3. 仮名文字の訓練である
✅ 正しい。日本語話者を対象とした訓練法であり、ひらがな(仮名文字)を用いてモーラの分解・再構成を行います。漢字ではなく仮名を使用する点が特徴です。
4. 意味を介する経路を利用する
✅ 正しい。通常の発話経路(意味→音韻)が障害されている場合、音韻レベルでの直接処理を経由し、「音韻的キーワード」を手がかりにします。迂回経路として「非意味的経路」の活用を図りますが、実際には残存する意味情報も支援的に機能します。
5. モーラ分解・抽出が必要とされる
✅ 正しい。「猫」を「ね」「こ」に分解し、各モーラの音韻的特性を抽出・再構成することが、仮名キーワード法の基本技術です。モーラ(日本語の音韻単位)の操作が訓練の中核となります。
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【試験対策ポイント】
仮名キーワード法の特徴:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 言語体系 | 日本語話者限定 |
| 対象文字 | ひらがな(仮名) |
| 処理単位 | モーラ(「ね」「こ」など) |
| 基本操作 | モーラの分解→キーワード抽出→再構成 |
| 活用する脳領域 | 音韻処理系(意味系の迂回) |
| 理論基盤 | 機能再編成・代償的神経可塑性 |
**よくある誤解**
- 「50音図を覚え直す訓練」ではない
- Broca失語(非流暢・命名困難)に特に有効
- 音韻的キーワード(例「ねこ」の「ね」は「ねずみ」のネから連想)の活用がポイント