第17回 言語聴覚士国家試験 第18問
神経系第17回
顔面神経麻痺の症状でないのはどれか。
- 1.閉眼困難
- 2.鼻唇溝の消失
- 3.咀嚼筋の運動障害 ✓
- 4.味覚障害
- 5.口笛不能
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 咀嚼筋の運動障害
顔面神経(第VII脳神経)は表情筋を支配しますが、咀嚼筋(咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋)は三叉神経(第V脳神経)により支配されます。したがって顔面神経麻痺では咀嚼筋の運動障害は生じません。
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【各選択肢の解説】
1. 閉眼困難
✅ 正しい。眼輪筋(顔面神経支配)が麻痺するため、患側の眼を閉じることができなくなります。これは顔面神経麻痺の特徴的症状であり、角膜炎の危険性から保護が重要です。
2. 鼻唇溝の消失
✅ 正しい。鼻唇溝は表情筋(主に大頬骨筋など顔面神経支配)の作用により形成されます。麻痺側ではこの溝が消失し、顔が患側に歪みます。
3. 咀嚼筋の運動障害
❌ 誤り。咀嚼筋は三叉神経(第V脳神経)の下顎神経支配であり、顔面神経とは無関係です。顔面神経麻痺患者は咀嚼機能は保たれています。
4. 味覚障害
✅ 正しい。顔面神経の鼓索神経が舌前2/3の味蕾を支配するため、麻痺側の舌前2/3の味覚が低下します。特に甘味・塩辛味が影響を受けます。
5. 口笛不能
✅ 正しい。口笛を吹くには口輪筋(顔面神経支配)による口の形成と、唇の精密な動きが必要です。麻痺側では唇を丸くして突き出せず、口笛が吹けなくなります。
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【試験対策ポイント】
顔面神経支配構造(解剖学的鑑別が出題頻出)
| 機能 | 神経 | 麻痺時の症状 |
|---|---|---|
| 表情筋 | 顔面神経(VII) | 閉眼困難・鼻唇溝消失・口笛不能 |
| 味覚(舌前2/3) | 顔面神経(VII)鼓索 | 味覚低下 |
| 咀嚼筋 | 三叉神経(V)下顎神経 | 顔面神経麻痺では障害なし |
| 舌後1/3味覚 | 舌咽神経(IX) | 顔面神経麻痺では障害なし |
顔面神経麻痺の臨床的特徴
- 一側性の顔面表情筋全体の麻痺(中枢性では額はしばしば温存される点と区別)
- 眼瞼反射低下・消失
- 味覚障害:舌前2/3のみ
- 耳後部痛を伴うことあり
- ベル麻痺(特発性)が約60〜75%で最多
頻出の「紛らわしい選択肢」パターン
- 咀嚼筋:三叉神経支配 → 顔面神経麻痺では障害されない
- 舌後1/3味覚:舌咽神経支配 → 顔面神経麻痺では障害されない
- アブミ骨筋:顔面神経支配(アブミ骨筋反射も顔面神経) → 麻痺で減弱