第17回 言語聴覚士国家試験 第17問
臨床歯科医学/口腔外科学第17回
う蝕について正しいのはどれか。
- 1.う蝕の侵襲に対する免疫防衛機構は弱い。 ✓
- 2.小窩裂溝より平滑面に好発する。
- 3.深く進行すれば辺縁性歯周炎を起こす。
- 4.う蝕症2度は病変が趾髄腔まで達している状態をいう。
- 5.治療は脂質の再石灰化が中心となる。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — う蝕の侵襲に対する免疫防衛機構は弱い。
う蝕は細菌感染病ですが、歯質という無血管組織の特殊性のため、免疫防衛機構が十分に機能しにくい点が重要です。一度形成されたう蝕病変は自然治癒しにくく、進行を止めるには確実な治療介入が必須とされています。
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【各選択肢の解説】
1. う蝕の侵襲に対する免疫防衛機構は弱い。
✅ 正しい。歯質は無血管・無神経組織であるため、血液由来の免疫細胞(好中球、マクロファージなど)がアクセスしにくく、液性免疫・細胞性免疫の両者が十分に機能できません。このため一度進行したう蝕の自然治癒は事実上不可能です。
2. 小窩裂溝より平滑面に好発する。
❌ 誤り。う蝕は小窩裂溝(特に咬合面)に最も好発します。平滑面(頬側・舌側)はプラークコントロールが比較的容易で、小窩裂溝は解剖学的に清掃困難であるため、好発部位の順序は「咬合面>近接面>平滑面」です。
3. 深く進行すれば辺縁性歯周炎を起こす。
❌ 誤り。深いう蝕は「辺縁性歯周炎」ではなく「根尖性歯周炎」を引き起こします。う蝕が象牙質を通じて歯髄に達し、歯髄炎→歯髄壊疽→根尖周囲組織の炎症という経路です。辺縁性歯周炎は歯周ポケットからの細菌侵入が原因で、う蝕とは異なるメカニズムです。
4. う蝕症2度は病変が歯髄腔まで達している状態をいう。
❌ 誤り。う蝕の分類は「0度(初期う蝕)→1度(エナメル質のみ)→2度(象牙質に達する)→3度(歯髄に達する)」です。う蝕症2度は象牙質が侵されている状態であり、歯髄腔まで達しているのは3度です。
5. 治療は脂質の再石灰化が中心となる。
❌ 誤り。う蝕の薬物的治療では「カルシウムやフッ化物による再石灰化」が基本ですが、これは主に初期う蝕(0度)の停止が目的です。一般的なう蝕(1度以上)の治療は「填塞(充填)」や「削除・補綴」などの機械的対応が中心で、脂質が直接的な治療対象ではありません。
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【試験対策ポイント】
う蝕分類(重要)
| う蝕度 | 病変範囲 | 臨床的特徴 |
|---|---|---|
| 0度 | エナメル質表面 | 初期う蝕、白濁斑、再石灰化可能 |
| 1度 | エナメル質内 | 小窩裂溝に多い |
| 2度 | 象牙質 | 自覚症状出現、処置必要 |
| 3度 | 歯髄腔に達する | 歯髄炎・根尖性歯周炎の危険 |
う蝕好発部位(頻出)
- 第1位:咬合面(小窩裂溝)→解剖学的に清掃困難
- 第2位:近接面(隣接面)→接触点下方
- 第3位:平滑面(頬側・舌側)→プラーク除去容易
う蝕と免疫の関係性(重要否定知