STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第38問

音声学第17回
共通語(東京方言)の発音で口蓋帆が二度大きく下降するのはどれか。
  1. 1.あいさつ(挨拶)
  2. 2.かみさま(神様) ✓
  3. 3.けしごむ(消しゴム)
  4. 4.とじまり(戸締り)
  5. 5.ほしぞら(星空)

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — かみさま(神様) 口蓋帆が「二度大きく下降」するというのは、鼻音[n][m][ŋ]が2つ含まれている単語を探す問題です。かみさま「かみ+さま」では[m](ビルバイアル鼻音)と[m](「ま」の鼻音)が含まれており、これらの音では口蓋帆が下降して鼻腔へ気流が流れます。他の選択肢には鼻音が1つしか含まれていません。 --- 【各選択肢の解説】 1. あいさつ(挨拶) ❌ 誤り。この単語には[n]や[m]などの鼻音が1つも含まれていません。口蓋帆の下降は起こりません。 2. かみさま(神様) ✅ 正しい。「かみ」の[m]と「さま」の[m]の2つの鼻音が含まれます。各々で口蓋帆が下降するため、「二度大きく下降」という条件に合致します。 3. けしごむ(消しゴム) ❌ 誤り。「ゴム」の[m]で1度だけ口蓋帆が下降します。鼻音が1つしかないため、二度の下降は起こりません。 4. とじまり(戸締り) ❌ 誤り。「まり」の[m]で1度だけ口蓋帆が下降します。鼻音が1つのみのため、二度の下降は起こりません。 5. ほしぞら(星空) ❌ 誤り。この単語には鼻音が含まれていません。口蓋帆は下降せず、二度の下降は起こりません。 --- 【試験対策ポイント】 口蓋帆(軟口蓋)の動きと発音 | 音の特性 | 口蓋帆の状態 | 備考 | |---|---|---| | 鼻音[n][m][ŋ] | 下降 | 気流が鼻腔へ | | 口音(子音・母音) | 上昇 | 気流が口腔へ | | 鼻音化母音 | 部分的下降 | [ã]などの場合 | 共通語の鼻音の種類 | 鼻音 | 調音位置 | 出現例 | |---|---|---| | [n] | 歯茎(舌の前) | 「な行」「ん」 | | [m] | 両唇(唇) | 「ま行」「ん」→両唇鼻音 | | [ŋ] | 軟口蓋 | 「ガ行」の後の[ん]など | 出題のポイント:「二度」という条件は「鼻音が2つ」という意味。単語を音声学的に分析し、各セグメントに鼻音が何個含まれているかを判断する必要があります。
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