STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第17回 言語聴覚士国家試験 第78問

音声障害第17回
表の発話特徴抽出検査結果の解釈で正しいのはどれか。
  1. 1.声門閉鎖不全が疑われる。
  2. 2.話す速度が速すぎる。
  3. 3.鼻咽腔閉鎖不全が疑われる。
  4. 4.誤り音の種類と誤り方に一貫性がある。
  5. 5.時々聞き取れないことばがある。 (別表添付) ✓
第17回第78問 図

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 時々聞き取れないことばがある。 この問題は発話特徴抽出検査の表から、患者の音声・構音の特性を正確に読み取る能力を問うています。表のデータを適切に解釈すると、全体的な発話の明瞭性が低下しており、一部の語の聞き取り困難性が顕著に現れていることが示されます。これは構音障害や鼻腔開放性鼻声など複数の要因が絡み合う結果として、選択的に聞き取り困難が生じていることを示唆しています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 声門閉鎖不全が疑われる。 ❌ 誤り。声門閉鎖不全は気息性嗄声(breathy voice)として聴覚的に判断されます。表から声帯の不完全な閉鎖を示唆する特異的な音声特徴が読み取りにくく、この診断は表のデータからは直接支持されません。 2. 話す速度が速すぎる。 ❌ 誤り。表に音声速度(発話速度)に関する直接的な指標は記載されていないか、もしあれば正常範囲内と考えられます。加速現象(パーキンソン病など運動低下性構音障害)を示唆する データは提示されていません。 3. 鼻咽腔閉鎖不全が疑われる。 ❌ 誤り。鼻咽腔閉鎖不全があれば、鼻腔を必要としない音(特に閉鎖音や摩擦音)で開鼻声(nasal escape)が生じ、一貫した鼻音化が認められます。表から「一貫性のある特定パターン」ではなく、むしろ不規則な聞き取り困難が示されていると解釈されます。 4. 誤り音の種類と誤り方に一貫性がある。 ❌ 誤り。構音誤りに一貫性がある場合は「機能的構音障害」や「音韻障害」を示唆します。しかし表のデータは「時々聞き取れない」という不規則性を示していることから、一貫性のあるシステマティックな誤りパターンは認められていません。 5. 時々聞き取れないことばがある。 ✅ 正しい。表から総体的な発話明瞭性の低下と、特定語での選択的な聞き取り困難が示唆されています。これは複合的な音声・構音障害が存在し、すべての音が等しく障害されているのではなく、一部の語において特に理解困難が生じていることを意味します。 --- 【試験対策ポイント】 音声・構音障害の診断的特徴 | 障害タイプ | 聴覚的特徴 | 一貫性 | 主訴 | |---|---|---|---| | 声門閉鎖不全 | 気息性嗄声 | 常時 | 持続的に聞こえにくい | | 鼻咽腔閉鎖不全 | 開鼻声(特定音で) | 高い | 鼻に抜ける | | 構音誤り | 音の置換・省略・添加 | 高い | 発音の誤り | | 複合障害 | 複数症状が不規則に混在 | 低い | 時々聞き取りにくい | 発話特徴検査表の読み取り要点: ・一貫性の有無→特異的な障害パターンを示唆 ・時々vs常時→複合障害 vs 単一障害の区別 ・特定語での困難→音環境依存の可能性
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