第18回 言語聴覚士国家試験 第124問
認知心理学第18回
ヤング・ヘルムホルツの3色説で脱明できないのはどれか。
a.補色残像
b.加法混色
c.色覚異常
d.錐体の種類
e.色の対比
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
ヤング・ヘルムホルツの3色説は「3種類の錐体(赤・緑・青感受性)」の存在と、その応答パターンの組み合わせで色覚を説明する理論です。この理論では説明可能な現象と説明困難な現象を区別することが重要です。補色残像と色の対比は、単なる錐体の応答では説明できず、より高次の神経回路(オポーネント過程など)を仮定する必要があります。
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【各選択肢の解説】
a. 補色残像
❌ 脱明できない。補色残像(例:赤を見た後、白紙を見ると青緑が見える)は、錐体の応答パターンだけでは説明不可能であり、網膜後の神経細胞レベルでのオポーネント過程(対比的応答)を必要とします。3色説は末梢の受容器機構を説明するに留まります。
b. 加法混色
✅ 脱明できる。赤・緑・青の3種類の錐体が存在し、これらへの同時刺激の強度比によって全ての色が知覚されるという3色説の基本原理により直接説明可能です。
c. 色覚異常
✅ 脱明できる。色盲は「特定の錐体タイプの欠損または機能不全」として説明されます。例えば赤色盲は赤感受性錐体の欠損、緑色盲は緑感受性錐体の欠損という形で、3色説の枠組みで完全に説明できます。
d. 錐体の種類
✅ 脱明できる。3色説そのものが「3種類の錐体が存在する」という仮説であり、この仮説の検証・確認こそが3色説の核です。錐体タイプの存在は3色説によって直接的に説明・予測される現象です。
e. 色の対比
❌ 脱明できない。色の対比(赤背景上の灰色が青緑に見えるなど)は、錐体レベルの単純な応答パターンでは説明できず、中枢神経系での相互作用やオポーネント過程を必要とします。3色説は末梢受容器の機構に限定されています。
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【試験対策ポイント】
ヤング・ヘルムホルツ3色説の適用範囲
| 説明可能(末梢受容器) | 説明困難(中枢処理) |
|---|---|
| 3種の錐体の存在 | 補色残像 |
| 加法混色 | 色の対比 |
| 色覚異常(欠損) | |
| 正常色覚の多様性 | |
キーワード
- 末梢説:受容器レベルの説明に限定
- オポーネント過程:中枢で対比的応答が生じるため、3色説では説明不可
- 補色と対比:後からの知見で、神経レベルの相互抑制が関与することが判明
頻出ポイント
- 「脱明できない=3色説の説明限界」という出題パターンで中枢色覚処理の概念を問う問題
- 補色残像と色対比は「同一メカニズム」と誤解しやすいが、試験では区別される場合が多い