第18回 言語聴覚士国家試験 第140問
音響学第18回
図の広帯域サウンドスペクトログラムが表している語はどれか。
- 1.みちくさ
- 2.くれない
- 3.しんこく
- 4.ついたて ✓
- 5.うみがめ
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ついたて
広帯域スペクトログラムを読み解くには、フォルマント構造(特にF1・F2の軌跡)と時間軸上の音の変化を追跡することが重要です。正答「ついたて」は、清音の「た」で始まり、「い」の高い周波数(F1低い、F2高い)、濁音「だ」の低周波成分、「て」で終わる特徴的なパターンを示します。特に濁音「だ」の低周波エネルギーの増加が識別のポイントになります。
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【各選択肢の解説】
1. みちくさ
❌ 誤り。「みちくさ」は鼻音「ま」で始まり、フォルマント構造が異なります。スペクトログラムでは「ま」の鼻音性(低周波帯域に強いエネルギー集中)と「さ」の無声摩擦音(高周波ノイズ)の組み合わせが特徴ですが、図に示される清音と濁音の組み合わせパターンとは一致しません。
2. くれない
❌ 誤り。「くれない」は「く」の無声閉鎖音で始まり、「れ」の流音を含みます。特に流音「ら行」はF1・F2が比較的接近した独特のパターンを示すため、図の濁音を含むパターンとは異なります。
3. しんこく
❌ 誤り。「しんこく」は無声摩擦音「し」で始まり、鼻音「ん」を含みます。スペクトログラムでは「し」の高周波ノイズと「ん」の鼻音化の特徴が顕著に表れますが、図に見られる濁音「だ」の低周波エネルギー増加パターンが存在しません。
4. ついたて
✅ 正しい。「つ」の無声閉鎖音で始まり、高周波の「い」、濁音「だ」による低周波エネルギーの著しい増加、そして「て」で終わるという時系列の音響特性が、広帯域スペクトログラム上に典型的に表現されます。特に濁音区間での周波数全域へのエネルギー分布が識別の決定因となります。
5. うみがめ
❌ 誤り。「うみがめ」は「う」の後退舌母音で始まり、鼻音「ま」で終わります。図に示される清音・濁音・清音の複合パターンと異なり、スペクトログラムでは「ま」の鼻音化が終局段階に見られるはずですが、図の終音パターンと一致しません。
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【試験対策ポイント】
スペクトログラムの読み方(優先順位順)
| 確認項目 | 確認方法 | 識別ポイント |
|---|---|---|
| 1.音の時間数 | スペクトログラム全体の横幅 | 3〜5音節かを判定 |
| 2.濁音の有無 | 低周波(0-1kHz)のエネルギー | 濁音は低周波が顕著→音声基本周波数 |
| 3.無声音の位置 | 高周波ノイズ帯(3kHz以上) | 摩擦音「さ」「た」など |
| 4.フォルマント軌跡 | F1・F2の変化 | 母音の種類を特定(「い」は高周波) |
| 5.鼻音の判定 | 鼻音化の形跡(独特の共鳴) | 「ま」「ん」など |
キーポイント:濁音「が」「だ」「ば」は低周波帯に明らかなエネルギー増加が見られる。これが最も確実な判定材料。