第18回 言語聴覚士国家試験 第142問
言語学第18回
共通語(東京方言)の複合語のアクセント規則に従わないのはどれか。
a.原田さん
b.山田君
c.鈴木氏
d.仙台市
e.中野区
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
共通語の複合語アクセント規則では、後部要素のアクセント型が保持される「後部要素優位型」が一般的です。しかし、人名(苗字)に敬称を付けた「原田さん」「山田君」は、敬称が前部要素のアクセント型に従う特例であり、標準的な複合語規則に従いません。
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【各選択肢の解説】
a. 原田さん
❌ 誤り(規則に従わない)。人名に「さん」「君」などの敬称を付ける場合、前部要素(人名)のアクセント型が優位になり、後部要素優位型の複合語規則に従いません。
b. 山田君
❌ 誤り(規則に従わない)。aと同じく、人名に敬称を付けた複合語は、前部要素(人名)のアクセント型が維持され、標準的な複合語アクセント規則(後部要素優位)から外れます。
c. 鈴木氏
✅ 正しい。「氏」は敬称ではなく、身分・身元を示す標識的要素であり、後部要素優位型規則に従います。
d. 仙台市
✅ 正しい。地名に「市」「区」などの行政区画を示す要素を付けた複合語は、後部要素優位型の規則に従い、後部要素(市)のアクセント型が反映されます。
e. 中野区
✅ 正しい。dと同じく、地名に「区」を付けた複合語は、後部要素優位型規則に従います。
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【試験対策ポイント】
複合語アクセント規則の分類:
| 規則の型 | 特徴 | 具体例 |
|---|---|---|
| 後部要素優位 | 後部要素のアクセント型を保持 | 仙台市、中野区、鈴木氏 |
| 前部要素優位 | 前部要素のアクセント型を保持 | 原田さん、山田君(敬称) |
| 融合型 | 両要素が融合して新しいアクセント型を生成 | (典型例は少ない) |
キーワード:
- 敬称(さん、君、様):前部要素優位→例外的
- 身分標識(氏):後部要素優位→標準規則に従う
- 行政区画単位(市、区、町):後部要素優位→標準規則に従う
- ST試験での出題ポイント:「敬称の特例性」を認識すること