第18回 言語聴覚士国家試験 第144問
言語学第18回
「ている」の用法として他と異なるのはどれか。
- 1.あちこち探したが、彼の電話番号を見つけられない「でいる」。
- 2.泥遊びをして手も足も汚れ「ている」ので、まず風呂に入りたい。
- 3.本を読むのに夢中で、気がついたら降りる駅を過ぎてしまっ「ていた」。
- 4.頼んだコピーが済ん「でいた」ら、受け取ってきてください。
- 5.台風が近づいてき「ている」せいか、風が強くなったように思う。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 台風が近づいてき「ている」せいか、風が強くなったように思う。
5番は「ている」が「進行アスペクト(現在進行中)」を表しており、他の選択肢の「状態アスペクト(結果状態の継続)」と異なります。5番では「近づいてくる動作が今まさに進行している」という意味であるのに対し、1~4番は「過去の変化がもたらした結果の状態が今も続いている」という用法です。
---
【各選択肢の解説】
1.あちこち探したが、彼の電話番号を見つけられない「でいる」。
✅ 正しい(状態アスペクト)。「見つけられない」という状態が現在も継続していることを表す。「見つける」という完成体の否定形が結果状態を示す。
2.泥遊びをして手も足も汚れ「ている」ので、まず風呂に入りたい。
✅ 正しい(状態アスペクト)。「汚れた」という完成した変化がもたらした状態(汚い状態)が現在も続いていることを表す。結果の継続である。
3.本を読むのに夢中で、気がついたら降りる駅を過ぎてしまっ「ていた」。
✅ 正しい(状態アスペクト)。「過ぎてしまった」という完成した変化の結果状態(駅を通過済みの状態)が過去から継続していたことを表す。
4.頼んだコピーが済ん「でいた」ら、受け取ってきてください。
✅ 正しい(状態アスペクト)。「済む」という完成した変化がもたらした状態(完了した状態)が継続していることを表す。結果の継続である。
5.台風が近づいてき「ている」せいか、風が強くなったように思う。
❌ 異なる(進行アスペクト)。「近づいてくる」という動作そのものが現在進行中であることを表す。結果状態ではなく、動作が今まさに進行している途中という意味である。
---
【試験対策ポイント】
「ている」の2大用法の区別
| 分類 | 意味 | 例文 | 動詞の特性 |
|---|---|---|---|
| **進行アスペクト** | 動作が現在進行中 | 台風が近づいている / 雨が降っている | 活動動詞(変化途上) |
| **状態アスペクト** | 結果状態が継続中 | 窓が開いている / 本が積んである | 完成体動詞(変化完了後の状態) |
見分けるキーワード
- 「動作が今まさに起きている途中」→進行アスペクト(5番)
- 「変化がすでに完了し、その結果の状態が続いている」→状態アスペクト(1~4番)
注意:「汚れている」「過ぎてしまっていた」「済んでいた」は全て「状態」を表す。