第18回 言語聴覚士国家試験 第171問
言語発達障害学第18回
特異的言語発達障害児の指導で適切でないのはどれか。
- 1.視覚弁別能力の向上 ✓
- 2.文法能力の向上
- 3.語彙の拡大
- 4.言語理解の向上
- 5.音韻メモリーの向上
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 視覚弁別能力の向上
特異的言語発達障害(SLI)は、聴力や知能に問題がないにもかかわらず、言語領域に限定した発達遅滞を示す状態です。その指導は「言語そのものの能力向上」に焦点を当てるべきであり、視覚弁別能力のような「非言語認知能力」の向上は本質的な支援ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 視覚弁別能力の向上
❌ 誤り。視覚弁別能力は言語領域ではなく、非言語認知機能です。SLIの指導では、言語そのものの欠陥(語彙・文法・音韻メモリー・理解など)にアプローチすることが原則であり、視覚弁別訓練は直接的な効果を持ちません。
2. 文法能力の向上
✅ 正しい。SLIの中でも「文法的困難」は最頻出の特徴です(特に複雑な時制・複文構造の理解と産出)。文法能力の指導はSLI支援の中核です。
3. 語彙の拡大
✅ 正しい。SLI児は語彙獲得速度が遅く、語彙量が制限されています。語彙の量的・質的拡大は言語基盤の構築に不可欠です。
4. 言語理解の向上
✅ 正しい。受容言語の困難(指示理解・文理解の遅滞)はSLIの中核的問題です。言語理解の改善は表出言語にも波及します。
5. 音韻メモリーの向上
✅ 正しい。音韻ループ(phonological loop)の容量不足がSLIの神経基盤と関連しており、音韻メモリー課題(非語反復など)での困難は診断指標です。メモリー容量の向上は言語習得の基盤強化になります。
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【試験対策ポイント】
SLI指導における「言語領域」と「非言語領域」の区別
| 適切 | 非適切 |
|---|---|
| 語彙指導 | 視覚弁別訓練 |
| 文法指導 | 運動協応訓練 |
| 音韻メモリー課題 | 図形認識訓練 |
| 言語理解促進 | 空間認知訓練 |
SLIの定義と指導原則:
- 「聴力・知能は正常だが、言語だけ遅滞」が診断基準
- 指導は言語ドメイン内に限定すべき
- 非言語認知能力の訓練は直接効果がない
- 音韻メモリーの困難は診断的意義が高く、改善対象の筆頭