STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第175問

音声障害第18回
喉頭内視鏡所見を示す。考えられる症状はどれか。 【写真を挿入】 a.気息性嗄声 b.咽頭痛 c.呼吸困難 d.発声持続時間の延長 e.嚥下時のむせ 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
第18回第175問 図

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 喉頭内視鏡所見から一側性反回神経麻痺(多くは左側)が疑われます。反回神経麻痺では声帯が傍正中位で固定されるため、気息性嗄声(空気漏れによる嗄声)が生じ、また食物や唾液が喉頭に垂れ込みやすくなるため嚥下時のむせが起こります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 気息性嗄声 ❌ **正しい**。一側性反回神経麻痺では声帯が傍正中位で固定され、声帯の不完全接触により呼気がリークするため、気息性嗄声が典型的に生じます。 b. 咽頭痛 ❌ 誤り。咽頭痛は急性咽頭炎などの炎症性疾患の症状であり、反回神経麻痺では生じません。神経麻痺は非炎症性であるため疼痛は伴いません。 c. 呼吸困難 ❌ 誤り。一側性麻痺では気道は十分に保たれているため呼吸困難は起こりません。呼吸困難が生じるのは両側反回神経麻痺の場合です。 d. 発声持続時間の延長 ❌ 誤り。むしろ発声持続時間は短縮します。声帯の完全接触が悪く呼気がリークするため、効率的な発声が困難になり、最大発声時間(MPT)は低下します。 e. 嚥下時のむせ ❌ **正しい**。麻痺側の声帯が傍正中位にあるため喉頭を完全に閉鎖できず、食物や唾液が喉頭裂隙に垂れ込み、嚥下時のむせが生じます。 --- 【試験対策ポイント】 反回神経麻痺と喉頭直達鏡所見 | 項目 | 一側性(左側が多い) | 両側性 | |---|---|---| | 声帯位置 | 傍正中位固定 | 両側傍正中位固定 | | 主症状 | 気息性嗄声 | 呼吸困難(吸気困難) | | 気息性嗄声 | あり | なし(そもそも呼吸困難優先) | | 嚥下時むせ | あり | あり | | 音声治療反応 | 良好(声帯内転術併用) | 呼吸確保が最優先 | 反回神経麻痺の原因(左側が多い理由) - 大動脈弓の外科手術・外傷 - 肺がん(左上葉) - 甲状腺がん(術後左反回神経損傷) 声帯麻痺と呼吸・嗄声の関係 - 一側性:嗄声主訴(呼吸は保たれる) - 両側性:呼吸困難が緊急性(嗄声は二次的)
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