第18回 言語聴覚士国家試験 第174問
音声障害第18回
痙攣性発声障害について正しいのはどれか。
- 1.若年の男性に多い。
- 2.内転型が外転型より多い。 ✓
- 3.心因性発声障害の一つである。
- 4.内転型では断続的な呼吸苦を主症状とする。
- 5.音声治療で高率に症状の寛解が得られる。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 内転型が外転型より多い。
痙攣性発声障害は、声帯の不随意な痙攣により音声が途切れたり嗄声が生じる疾患です。内転型(声帯内転型)は外転型の約4〜10倍の頻度で発生し、これは試験頻出の重要知識です。痙攣性発声障害は器質的異常がない機能的障害であり、神経学的な基礎疾患(ジストニア)が関与しているとされています。
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【各選択肢の解説】
1. 若年の男性に多い。
❌ 誤り。痙攣性発声障害は「30〜50歳代の中年女性に多い」というのが定説です。男性より女性の発症が多く、若年者よりも中年以降の発症が圧倒的多数派です。
2. 内転型が外転型より多い。
✅ 正しい。内転型(声帯内転型)は外転型(声帯外転型)の4〜10倍程度の頻度で認められます。内転型では「え、え、え」という断続的な音声が特徴的です。
3. 心因性発声障害の一つである。
❌ 誤り。痙攣性発声障害は「神経学的基礎疾患(特発性ジストニア)を有する機能的障害」とされており、心因性ではありません。心因性発声障害は(福音的に)心理的・感情的要因で生じるものとは区別されます。
4. 内転型では断続的な呼吸苦を主症状とする。
❌ 誤り。内転型の主症状は「断続的な音声障害」(えーという音の途切れ)です。呼吸苦を主症状とするのは「外転型」であり、これは外転型の特徴的な臨床像です。
5. 音声治療で高率に症状の寛解が得られる。
❌ 誤り。痙攣性発声障害は音声治療の効果が極めて低く、むしろ「治療抵抗性」が特徴です。治療法としてはボツリヌス毒素注射が最も有効とされており、音声治療単独では寛解率が低いため誤りです。
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【試験対策ポイント】
痙攣性発声障害の内転型 vs 外転型
| 項目 | 内転型 | 外転型 |
|---|---|---|
| 頻度 | 圧倒的に多い(80〜90%) | まれ(10〜20%) |
| 主症状 | 断続的な音声(「え」が詰まる) | 断続的な呼吸苦・気息性嗄声 |
| 音声特徴 | 声帯が過剰に閉じる | 声帯が過剰に開く |
| 発症年齢 | 30〜50歳代女性に多い | 男性がやや多い傾向 |
重要否定知識:
- 「若年男性」←誤り。実は中年女性
- 「心因性」←誤り。神経学的ジストニア
- 「音声治療で寛解」←誤り。治療抵抗性が特徴
- 「内転型で呼吸苦」←誤り。これは外転型の特徴
治療法:ボツリヌス毒素注射が第一選択(音声治療は効果低い)