第18回 言語聴覚士国家試験 第187問
嚥下障害第18回
気管切開を受けた患者が図のカニューレを装着している。この患者にとって最も難しいのはどれか。
【図を挿入】
- 1.発声
- 2.囗すすぎ
- 3.随意的な咳
- 4.ストローでの飲水 ✓
- 5.ロウソクの炎の吹き消し
正答:4番
解説
# 第18回 第187問 解説
■ 正答:4番 — ストローでの飲水
図に示されているのは**カフ付き気管カニューレ(側孔なし・スピーチバルブなし)**です。このタイプではカフによって気管が完全に閉鎖され、呼気・吸気はすべてカニューレを通って外気と出入りし、口腔・鼻腔とは遮断されます。そのためストロー飲水に必要な口腔内陰圧の形成が最も困難になります。
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【各選択肢の解説】
1. 発声
❌ カフ付きカニューレでは声帯に気流が届かないため発声は困難ですが、設問では「ストロー飲水」と比較しての難易度が問われています。発声は音声弁などで代替可能な点もありますが、本問では4が最も難しいとされます。
2. 口すすぎ
✅ 口すすぎは口腔内で水を動かす動作であり、咽頭・喉頭の閉鎖や呼吸経路の制限を受けにくいため、カフ付きカニューレ装着患者でも比較的容易に実施できます。
3. 随意的な咳
✅ 気管内の呼気流はカニューレを通じて排出されるため、咳嗽自体は可能です。むしろカニューレからの喀痰排出は行いやすくなります。
4. ストローでの飲水
❌ 誤り(これが最も難しい)。ストロー飲水には**口腔内に強い陰圧を形成**することが必要ですが、カフ付きカニューレでは気道と口腔が遮断され、軟口蓋を挙上しても気管側に陰圧が逃げず、有効な吸引圧を生み出せません。そのため最も困難となります。
5. ロウソクの炎の吹き消し
✅ 口からの呼気は弱くなりますが、口腔内に残った空気や頬の収縮を利用して短い吹き出しは可能です。ストロー飲水ほど困難ではありません。
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【試験対策ポイント】
**カフ付き気管カニューレ装着時の口腔・呼吸機能**
| 機能 | 必要条件 | 可否 |
|---|---|---|
| 発声 | 声帯への気流 | 困難(音声弁で改善可) |
| 口すすぎ | 口腔内の水保持 | 可能 |
| 随意的咳 | 気管からの呼気 | 可能 |
| **ストロー飲水** | **口腔内の陰圧形成** | **最も困難** |
| 吹き消し | 口からの呼気 | やや困難だが可能 |
**重要な否定知識**
- 気管切開は誤嚥を防止するものではない
- カフ付きでは発声・吹き消しも制限されるが、**陰圧形成を要するストロー飲水が物理的に最も困難**
**鑑別ポイント**
- 「呼気が必要な動作」(発声・吹き消し)→ スピーチバルブで改善可能
- 「**陰圧が必要な動作**」(ストロー飲水)→ 気管切開では代償不可能 ← 国試頻出