第18回 言語聴覚士国家試験 第200問
補聴器・人工内耳第18回
人工内耳で正しいのはどれか。
- 1.体内器で音情報がコード化される。
- 2.装用後に乾燥させる必要がない。
- 3.合併症の一つに顔面神経の刺激がある。 ✓
- 4.ヘッドセットの磁石で情報の伝達が行われている。
- 5.体内器の刺激電極は必ずしも蝸牛内に留置しなくてよい。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 合併症の一つに顔面神経の刺激がある。
人工内耳の体内器は蝸牛内に留置された電極から直接聴神経を刺激するため、近傍を走行する顔面神経(Ⅶ)が誤刺激される可能性があります。これは人工内耳の既知の合併症であり、電極位置の調整やマップ設定で対応します。他の選択肢は人工内耳の基本的な機構や管理上の誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 体内器で音情報がコード化される。
❌ 誤り。音情報のコード化は体外器(音声プロセッサー)で行われます。体外器が音を受け取り、デジタル信号に変換し、磁力により体内器に情報を伝えます。体内器は受け取った信号をそのまま電極パターンに変換して刺激を行うだけです。
2. 装用後に乾燥させる必要がない。
❌ 誤り。人工内耳は医療機器であり、毎日の使用後に乾燥させることが重要です。特に汗や水分が内部に入ると故障の原因となるため、専用の乾燥ケースを用いて保管管理する必要があります。
3. 合併症の一つに顔面神経の刺激がある。
✅ 正しい。人工内耳の刺激電極は蝸牛内に留置されており、顔面神経(Ⅶ)がその近傍を走行しているため、電極からの刺激が顔面神経に及ぶことがあります。この場合、患者が顔面けいれんや顔面のピクピク感を訴えることがあり、マップ設定の調整で対応します。
4. ヘッドセットの磁石で情報の伝達が行われている。
❌ 誤り。人工内耳では磁石の力により位置合わせが行われますが、実際の情報伝達は磁気誘導(電磁誘導)によるコイルを介して行われます。単なる磁石の物理的接触ではなく、変調された電磁波により信号が伝わります。
5. 体内器の刺激電極は必ずしも蝸牛内に留置しなくてよい。
❌ 誤り。標準的な人工内耳では刺激電極は蝸牛内(蝸牛軸の周囲)に留置することが原則です。蝸牛内留置により、音の周波数による位置的な聴覚(トノトピー)を活用でき、より自然な音響を実現できます。ただし蝸牛が奇形である場合など限定的な例外はありますが、「必ずしも…よい」という選択肢は誤りです。
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【試験対策ポイント】
人工内耳の構成と機能:
| 部位 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| 体外器(音声プロセッサー) | 音の収音・デジタル化 | バッテリー駆動、ヘッドセット装着 |
| 体内器(レシーバーコイル) | 磁気信号の受信・変換 | 皮下埋込、電極刺激 |
| 刺激電極 | 聴神経の直接刺激 | 蝸牛内留置(標準) |
人工内耳の日常管理:
• 使用後は毎日専用ケースで乾燥
• 汗・水分厳禁
• バッテリー管理(体外器)
• 定期的なマッピング調整
人工内耳の合併症・課題:
• 顔面神経の誤刺激→マップ調整
• 感染症(体内器周囲)
• 電極シフト
• メニエール症状の出現(まれ)
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