第28回 言語聴覚士国家試験 第99問
補聴器・人工内耳第28回
人工内耳プログラミングについて正しいのはどれか。
- 1.ラウドネスは電極の刺激頻度で調整する。
- 2.ピッチの知覚は電極の刺激位置で変化する。 ✓
- 3.幼児は成人に比べてTレベルの刺激にすばやく反応する。
- 4.装用閾値が同じであれば、語音明瞭度の個人差は生じない。
- 5.プログラミング後の語音聴取検査の呈示音圧は40dB SPLで実施する。
正答:2番
解説
# 第28回 第99問 人工内耳プログラミング
■ 正答:**2番** — ピッチの知覚は電極の刺激位置で変化する
人工内耳のプログラミング原理を理解する問題です。蝸牛内での電極の位置と知覚される周波数の関係(周波数局在論)が基本となります。
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## 正答の理由
人工内耳の電極は蝸牛基礎回転部(高音域)から頂部(低音域)に配置されており、**刺激位置が異なると知覚される周波数が変わります**。基礎回転部の電極を刺激すれば高いピッチ、頂部の電極を刺激すれば低いピッチが知覚されるため、これが周波数符号化の基本原理です。
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## 【各選択肢の解説】
### 1. ラウドネスは電極の刺激頻度で調整する
❌ **誤り。** ラウドネス(音の大きさの知覚)は**刺激電流量(強度)で調整**されます。刺激頻度(パルスレート)の変化は主にピッチの知覚に関わります。
### 2. ピッチの知覚は電極の刺激位置で変化する
✅ **正しい。** 蝸牛内での電極位置により知覚される周波数が決定されるため、刺激位置によってピッチが変化します。これが人工内耳の周波数符号化メカニズムです。
### 3. 幼児は成人に比べてTレベルの刺激にすばやく反応する
❌ **誤り。** むしろ**幼児は成人に比べてTレベル(閾値)の判定が困難**です。幼児は行動応答が限定的で、刺激への反応が遅い・安定しない傾向があり、プログラミングには時間を要します。
### 4. 装用閾値が同じであれば、語音明瞭度の個人差は生じない
❌ **誤り。** 装用閾値(最小検出感覚)が同じでも、**残存聴神経の機能・中枢聴覚処理能力・ハビリテーションの質など複数の因子**により語音明瞭度は大きく変動します。閾値と理解度は独立した特性です。
### 5. プログラミング後の語音聴取検査の呈示音圧は40dB SPLで実施する
❌ **誤り。** 人工内耳装用者の語音聴取検査は通常**60〜70dB SPL程度の適切な刺激レベル**で実施されます。40dB SPLでは刺激が弱すぎる可能性があります。
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## 【試験対策ポイント】
### 人工内耳の周波数符号化(必ず覚える)
| 概念 | 役割 | 変数 |
|---|---|---|
| **周波数(ピッチ)符号化** | どの周波数を聞いているか | **電極の刺激位置**(蝸牛内の場所) |
| **強度(ラウドネス)符号化** | どれくらい大きく聞こえるか | **刺激電流量**(単位μA) |
| **時間コード** | 補助的な周波数情報 | **パルスレート**(刺激頻度) |
### プログラミングの基本用語
- **Tレベル(Threshold level)**:最小可聴閾値。患者が最初に感覚する電流レベル
- **Cレベル(Comfortable level)**:快適で安定した聞こえの電流レベル
- **ダイナミックレンジ**:Cレベル − Tレベルの差。広いほど音声情報の分解能が高い
### 幼児プログラミングの難しさ(頻出知識)
- 自発的応答が期待できないため行