STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第26問

認知心理学第18回
対人認知におけるステレオタイプに関与する要因に含まれないのはどれか。
  1. 1.プライミング
  2. 2.スキーマティック処理
  3. 3.初頭効果
  4. 4.自己成就予言
  5. 5.ストループ効果 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — ストループ効果 ステレオタイプは対人認知における認知的バイアスですが、ストループ効果は色彩知覚と言語処理の干渉現象であり、ステレオタイプの形成・維持メカニズムには直接関与しません。ストループ効果は認知的な自動処理と統制的処理の競合を示す現象であり、対人認知とは異なる領域の効果です。 --- 【各選択肢の解説】 1. プライミング ✅ 正しい。先行する情報(刺激)が後続する認知的処理に無意識的に影響を与える現象で、ステレオタイプの自動的な活性化に直接関与します。例えば特定の民族に関する語彙を事前に見せるだけで、その民族への評価が変わるなど、ステレオタイプを容易に引き出します。 2. スキーマティック処理 ✅ 正しい。スキーマ(既存の知識体系)に基づいて情報を処理する過程で、ステレオタイプはスキーマの典型的な形態です。個人情報を自分のもつスキーマに当てはめて解釈するため、ステレオタイプに基づいた対人認知が生じやすくなります。 3. 初頭効果 ✅ 正しい。最初に得た情報が後の判断に大きく影響する現象で、初期のステレオタイプ的判断が形成されると、その後の情報も既存のスキーマに組み込まれます。これにより確認バイアスが強化され、ステレオタイプの固定化につながります。 4. 自己成就予言 ✅ 正しい。ステレオタイプに基づいた期待が実際の行動を引き出す現象です。教師がある生徒に対して高い期待をもつと成績が向上するピグマリオン効果のように、ステレオタイプ的予期が現実を形作り、ステレオタイプを強化します。 5. ストループ効果 ❌ 誤り。ストループ効果は色字素材(赤という文字が青色で印字されている場合など)において、色名を言う課題での反応時間が増加・エラー増加する現象です。これは色彩処理と言語処理という異なる認知システムの自動的な干渉を示すものであり、ステレオタイプの形成・活性化・維持メカニズムとは無関係です。 --- 【試験対策ポイント】 | ステレオタイプに関与する要因 | 概要 | |---|---| | プライミング | 先行刺激がステレオタイプを無意識的に活性化 | | スキーマティック処理 | 既存知識体系(スキーマ)による自動的分類 | | 初頭効果 | 最初の情報が以降の判断を支配 | | 自己成就予言 | ステレオタイプ予期が行動を引き出す | | ストループ効果 | 概要 | |---|---| | 領域 | 色彩知覚と言語処理の干渉(対人認知ではない) | | メカニズム | 自動処理と統制的処理の競合 | | 関連性 | ステレオタイプとは無関係 | キーワード:「対人認知」に限定した問題。ストループ効果は知覚・注意の領域であり、社会心理学的な現象ではないことを区別することが重要。
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