STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第27問

学習心理学第18回
誤っている組合せはどれか。 a.Kohler.W.によるチンパンジーのバナナ取り実験 ― 洞察学習 b.Thorndike,E.L.によるネコの問題箱からの脱出課題 ― 弁別学習 c.Seligman,M.E.P.によるイヌの電撃逃避実験 ― 試行錯誤学習 d.Tolman,E.C.によるラットの迷路学習 ― 潜在学習 e.Bandura,A.による子供の人形遊び実験 ― 観察学習 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — b,c この問題は学習心理学の重要な実験と学習の種類をセットで問う問題です。**b と c の組合せが誤り**です。b では「弁別学習」ではなく「試行錯誤学習」、c では「試行錯誤学習」ではなく「習得された無気力」という学習理論に該当するため、両方の組合せが正しくありません。 --- 【各選択肢の解説】 a. Kohler.W.によるチンパンジーのバナナ取り実験 — 洞察学習 ✅ 正しい。ケーラーはチンパンジーが工具(箱や棒)を組み合わせてバナナを取る行動から「洞察学習」(試行錯誤を経ずに問題の構造を理解し、突然に解答に到達する学習)を提唱しました。 b. Thorndike,E.L.によるネコの問題箱からの脱出課題 — 弁別学習 ❌ 誤り。ソーンダイクのネコ実験は「試行錯誤学習」(trial-and-error learning)の古典例です。ネコが問題箱から脱出する正反応を繰り返すことで学習するプロセスから「効果の法則」が導き出されました。弁別学習ではなく試行錯誤学習です。 c. Seligman,M.E.P.によるイヌの電撃逃避実験 — 試行錯誤学習 ❌ 誤り。セリグマンの電撃逃避実験は「習得された無気力」(learned helplessness)を示す実験です。回避不可能な電撃を受けたイヌが、後に回避可能な状況でも逃げないという心理状態を実証しました。試行錯誤学習ではなく、古典的条件づけと無気力の関係を示す実験です。 d. Tolman,E.C.によるラットの迷路学習 — 潜在学習 ✅ 正しい。トルマンのラット迷路実験は「潜在学習」(latent learning)を実証しました。報酬なしに迷路を探索するラットが、後に報酬が導入されると急速に学習するという「突然の改善」を示しました。 e. Bandura,A.による子供の人形遊び実験 — 観察学習 ✅ 正しい。バンデューラの有名な「ボボ人形実験」は、成人が人形に暴力を加える行為を見た子供が同じ行動を模倣する「観察学習」(モデリング)を実証しました。 --- 【試験対策ポイント】 学習理論の種類と古典実験 | 学習の種類 | 実験者 | 実験内容 | キーワード | |---|---|---|---| | 洞察学習 | Kohler | チンパンジー・バナナ・工具 | 突然の問題解決 | | 試行錯誤学習 | Thorndike | ネコ・問題箱 | 効果の法則 | | 潜在学習 | Tolman | ラット・迷路・報酬 | 突然の改善 | | 観察学習 | Bandura | 子ども・ボボ人形・モデリング | 模倣行動 | | 習得された無気力 | Seligman | イヌ・電撃・回避不可能 | 無助感 | 重要な否定知識 - Thorndike = 試行錯誤(弁別学習ではない) - Seligman = 習得された無気力(試行錯誤学習ではない) - この2つが特に混同しやすいため要注意
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