第18回 言語聴覚士国家試験 第38問
音声学第18回
調音結合の説明として誤っているのはどれか。
- 1.連続音声の知覚を妨げる。 ✓
- 2.発話速度に依存する。
- 3.方言や言語によって異なる。
- 4.先行する音に影響が現れる。
- 5.後続する音に影響が現れる。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 連続音声の知覚を妨げる。
調音結合は隣接する音が相互に影響を及ぼす現象ですが、これは知覚を妨げるのではなく、むしろ連続音声の**スムーズな知覚を促進する**働きをします。調音結合がなければ各音が孤立して聞こえ、かえって理解が困難になります。
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【各選択肢の解説】
1. 連続音声の知覚を妨げる。
❌ 誤り。調音結合は連続音声をスムーズに知覚させるための機構です。調音結合により音声が自然に流れ、かえって知覚を促進します。
2. 発話速度に依存する。
✅ 正しい。発話速度が速いほど調音結合の度合いが増し、音の変化がより顕著になります。ゆっくり話すと音が明確に発音されるため、調音結合が少なくなります。
3. 方言や言語によって異なる。
✅ 正しい。調音結合のパターンは言語やその中の方言によって異なります。言語固有の調音特性により、生じる音韻的影響が変わります。
4. 先行する音に影響が現れる。
✅ 正しい。後行同化によって先行する音が後ろの音に引きずられて変化します。例えば「さくら」の「さ」が「く」の影響で変わる現象です。
5. 後続する音に影響が現れる。
✅ 正しい。先行同化によって後続する音が先行する音に引きずられて変化します。例えば「かど」の「ど」が「か」の影響で変わる現象です。
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【試験対策ポイント】
調音結合(coarticulation)の基本認識:
| 特性 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 隣接する音が相互に影響を及ぼし、音が変化する現象 |
| 知覚への役割 | 妨害ではなく、連続音声をスムーズに理解させる |
| 発話速度との関係 | 速いほど結合が強い→変化が顕著 |
| 言語依存性 | 各言語の音韻体系に依存 |
重要な誤答パターン:
「知覚を妨げる」という選択肢は直感的に間違いに思えにくいが、調音結合は実は知覚効率を**向上させる適応現象**であることが重要です。