第18回 言語聴覚士国家試験 第43問
言語学第18回
言語の「生産性」と最も関係の深いのはどれか。
- 1.線条性
- 2.規範性
- 3.共時論
- 4.二重分節性 ✓
- 5.言語変異
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 二重分節性
言語の「生産性」とは、限られた単位(音素や形態素)を組み合わせることで、無限に新しい文や意味を作り出せる能力のことです。これは二重分節性(素材の二層構造:音→意味)によって初めて可能になります。有限な要素から無限の表現が生成できるのは、言語固有の本質的特性です。
---
【各選択肢の解説】
1. 線条性
❌ 誤り。線条性は「言語は時間軸上で音が一列に並ぶ」という特性を指します。生産性(新しい表現を作る能力)とは直接関係がありません。
2. 規範性
❌ 誤り。規範性は「社会的に共通の言語体系が存在する」という性質です。生産性を支える条件ではありますが、最も深い関係ではありません。
3. 共時論
❌ 誤り。共時論は「ある時点での言語体系を捉える研究方法」を指します。生産性そのものとは無関係な言語学の研究分野です。
4. 二重分節性
✅ 正しい。音素(約20~40個)と形態素という二層の限られた単位の組み合わせにより、無限の文が生成できます。これが生産性の根本的メカニズムです。例:「は」「い」「す」の3音から「はいす」など新たな意味が無限に作られる。
5. 言語変異
❌ 誤り。言語変異は「地域差・階級差・個人差」などの多様性を指します。生産性(新しい表現の生成能力)とは別の概念です。
---
【試験対策ポイント】
言語特性の主要概念の整理:
| 概念 | 定義 | 例・補足 |
|---|---|---|
| **線条性** | 音が時間軸上に一列に並ぶ | /k/→/a/→/t/ 順序が意味を変える |
| **二重分節性** | 意味層(形態素)と音層(音素)の二層構造 | 無限性・生産性の根拠 |
| **規範性** | 社会的共通言語体系の存在 | 言語が社会的規約 |
| **離散性** | 言語単位が区分される(連続体ではない) | /p/と/b/は区別 |
「生産性」重要知識:
- 定義:限られた要素から無限の新しい表現を生成できる能力
- 根拠:二重分節性の組み合わせ
- 例:新造語「SNS映え」「推し活」も規則に従い理解される
- 言語にのみ高度に発達した特性
紛らわしい選択肢の除外法:
- 「規範性」→ 生産性の条件だが、直接原因ではない
- 「線条性」→ 生産性とは独立した音の配列方式
- 「共時論」→ 研究方法論(言語特性ではない)