第18回 言語聴覚士国家試験 第44問
言語学第18回
同一形態素を含まない組合せはどれか。
a.愛 す ― 愛しい
b.教える ― 教わる
c.漬ける ― 浸かる(つかる)
d.座 る ― 据える
e.押す ― 惜しい
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
形態素とは「意味を持つ最小単位」です。同じ形態素を含むかどうかを判断するには、語の語源や意味的関連性を捉える必要があります。各組合せを形態素レベルで分析すると、「愛」と「押」は複数の語に分散する形態素を持たず、「惜しい」も独立した形態素であるため、a と e のペアが同一形態素を含まない組合せとなります。
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【各選択肢の解説】
a. 愛す ― 愛しい
✅ 同一形態素を含まない。「愛す」の「愛」と「愛しい」の「愛」は表記は同じですが、動詞「愛す」と形容詞「愛しい」として異なる語根を持ちます。言語学的には同一の形態素とは認定されません。
b. 教える ― 教わる
❌ 同一形態素を含む。「教える」と「教わる」は共に「教」という形態素を含み、それぞれ「える」「わる」という異なる接尾辞が付加した関連語です。
c. 漬ける ― 浸かる(つかる)
❌ 同一形態素を含む。「漬ける」と「浸かる」は意味が関連し、同じ語根「漬/浸」を持つ形態素として機能しています。
d. 座る ― 据える
❌ 同一形態素を含む。「座る」と「据える」は「座」という共通の形態素を持ちます。「据える」は「座」に「える」が付加した形です。
e. 押す ― 惜しい
✅ 同一形態素を含まない。「押す」の「押」と「惜しい」の「惜」は全く異なる形態素であり、音韻的・意味的な関連性がありません。
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【試験対策ポイント】
形態素判定の3つの視点:
| 判定項目 | 判断基準 |
|---|---|
| 共通する語根 | 「教」「座」など、複数語に現れる最小意味単位の有無 |
| 派生関係 | 基本形+接尾辞で関連語が成立するか |
| 音韻的一致 | 表記の類似性だけでなく、言語学的な共通性を検証 |
重要:表記が似ていても形態素が異なる例
・「愛す」と「愛しい」:異なる語根(形容詞化との関係は辞書的)
・「押す」と「惜しい」:まったく無関連(音韻的類似は偶然)